
学歴詐称疑惑で8月13日、初めて静岡県伊東市議会百条委員会の証人尋問に立った田久保真紀市長。質疑が噛み合わず卒業証書は「19.2秒見せた」など新たな証言も出てきました。こうした発言をめぐり、市民からは冷ややかな声も聞かれます。
8月14日午前、伊東市役所に登庁した田久保市長。13日、百条委員会に初めて出頭し、証人尋問が行われました。卒業証書や除籍の事実をめぐって質問が続きましたが、質疑は噛み合わず、委員長から注意を受ける場面もありました。
<百条委員会 井戸清司委員長>
「尋問に対しては、質問に対して的確に証言するようにお願いをいたします」
「問題ないと思う」「書面で回答した通り」など同じ回答を繰り返す場面が目立ちましたが、6月初めに正副議長らへ卒業証書を「チラ見せ」したかどうかについては、明確に反論しました。
<伊東市 田久保真紀市長>
「報道であるようなチラ見せという事実はありませんで、約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しております」
この「19.2秒発言」について議長らは、8月14日、SBSの取材に応じました。今後、訴追した場合、証拠になる可能性があるとして音声データそのものは公開されませんでしたが、記者が聞くことは許可されました。
※議長の音声データのやり取りを再現
<田久保市長>
「卒業アルバムと証書ですよ」
<議長>
「ちょっと見せて」
<田久保市長>
「いやもう」
<議長>
「いやいやちょっと」
<田久保市長>
「はいはい」
<議長>
「いいじゃん」
<中島弘道議長>
「10秒ずっと見せてくれたわけではなくてその中のやりとりであって、1秒2秒、本当に2、3秒だったと思います」
議長らは、改めて「卒業証書の中身はしっかり見せられていない」とした上で「19.2秒」という時間で何を主張したいのかと疑問を呈します。
<中島議長>
「偽造の私文書を行使して私たちを騙したその時間が19.2秒じゃないかと。自分が犯した罪の時間を19.2秒と言っているもんだと思う」
一方、田久保市長は。
<田久保市長>
「機会がありましたら、いつか(音声を)公開する必要があるかなとは思ってまいりました。音声データの方の公開の方は、前向きに考えたいと思っております」
このように話し、今後、音声データを公開する意向を示しました。議会との応酬が続く、「19.2秒発言」について伊東市民は…
<伊東市民>
「それはもうどうでもいいことでね。嘘を言っちゃったもんで、残念でしょうがないです」
<伊東市民>
Q.19.2秒聞いてどうでしたか?
「細かいなと思いました。田久保さんが結局素直になっていないとこが一番問題だと思います」
学歴詐称疑惑の発覚から、すでに一か月半。伊東市民が知りたいのは、見せた時間の長さではなく、市政混乱の原因となっている学歴問題の真相です。