「まずは野党になって出直すべき」「一人一人の国民の声を聞いて向き合うことが必要」井林辰憲自民党静岡県連会長

8月8日、自民党の両院議員総会が開かれます。スタジオには衆議院議員で自民党の静岡県連会長を務める井林辰憲さんにお越しいただきました。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
8月5日、自民党の臨時国会が閉会となりました。衆参で少数与党となったわけですけれども、何か雰囲気が変わったなと思うところはあるでしょうか。

<自民党県連会長 井林辰憲衆院議員>
やはり何となく全体的に元気がないですし、参議院選挙後は初当選の議員の紹介もあるんですが、やっぱり少ないなというのが実感ですね。

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
そして自民党内では、石破総理の進退をめぐり混乱が続いています。参院選の大敗を受けて自民党は先週、全ての国会議員が出席できる両院議員懇談会を開きました。4時間半にわたる会議となりまして、厳しい声が多く飛んだと聞いているんですけれども、現場はどのような雰囲気でしたか。

<井林衆院議員>
やっぱり厳しい声が多いですし、やはり総理が進退に対して何か言うんじゃないかという緊張した雰囲気もあって、なかったものですからね。非常に厳しい意見が多かったですね。

<滝澤キャスター>
現状では石破総理は続投という意向を示していますが、そうした中で8月8日に自民党の両院議員総会が開かれます。これが8月8日ですね。金曜日に開かれます。では、懇談会とどう違うのかというところをまとめました。両院議員懇談会については、あくまでコミュニケーションの場、意見交換の場ですね。両院議員総会については議決権があります。なので、より決定力が強いわけですね。ただ、議決に拘束力はない。そして総理の退陣を決めることなどはできないということが党則として出ています。こうした中で石破降ろしというのは、動きとして加速していくんでしょうか。

<井林衆院議員>
今なんとなくですね。留まっているという感じですし、両院に総会議決権はありということですが、決議の議題が出されていないということも含めて、何となくもやもやとした雰囲気になっています。

<水野キャスター>
こちらは世論調査なんですけれども、JNNが8月2日と3日に調査した世論調査によりますと、「石破総理が辞任すべきか」という問いに対しまして、「辞任する必要はない」が47%で「辞任すべき」を上回っているんですね。数字だけを見ますと、自民党内の声と世間の声にギャップがあるように感じるんですけども、この数字を井林さんはどのように捉えていらっしゃいますか。

<井林衆院議員>
やっぱり選挙結果の後ですね。トランプ関税の結論が出た後の多分世論調査だと思いますので、やっぱり世界に先駆けて15%という数字はやっぱりいい数字ですし、もうお隣韓国なんかだと前まで自動車0だったんですよね。それが15になってもう大騒ぎになっているんですけれども、それから比べるとやはり政府の交渉能力、石破内閣の交渉能力を評価される方も多かったんじゃないかなと思っています。

<滝澤キャスター>
外交評価というところで、この数字という捉え方でしょうか。

<井林衆院議員>
そうですね。国政の一番大きな機能として外交というのは、やっぱり国政の大きな機能ですので、そこを評価されている方も多いんじゃないかなと思ってます。

<滝澤キャスター>
一方で、静岡県連としては今回、自民党の党内の体制の刷新については求めていますが、石破さんの早期退陣というところでは明言をしていない状態です。井林さん個人としては、石破さんは続投・退陣、どちらが望ましいと考えますか。

<井林衆院議員>
私は続投・退陣というよりも、一回自民党は野党になって出直すべきだというふうに思っておりますので、その上で総裁が石破総裁であるかそうでないかということはどっちでもいいことかなと。まずは野党になって出直すべきだというのが私の思いですね。

<滝澤キャスター>
手順の中でまず野党に回ってから党内をいろいろ刷新していくというか体制を変えていくというところが大事なんですかね。

<井林衆院議員>
そうですね、前自民党が下野した時も、新しく総理が決める時までに総裁を決めずにやりましたので、今回もそのようにすべきだと思っています。

<滝澤キャスター>
井林さん、「自民党は野党になるべき」とかなり強い口調でさまざまな場面でおっしゃっていますけれども、改めてこの発言の真意を教えていただいていいですか。

<井林衆院議員>
自民党って企業団体、または組織、自治会も含めた組織。そういうところからのお話を伺って、政策や事業を進めていく能力は私は非常に高い政党だと思っていますが、今回は減税とかっていうのは、後日本人ファーストというのは、国民の皆様お一人お一人が持っている不満や不安や今の生活苦、そういうところに向き合う力と能力が劣っている、もしくは失われてしまっていますので、やはり一回下野をしてお一人お一人の国民の皆様としっかり向き合っていく。そういう政党、そして政治活動をすべきだという思いで、こういうお話をさせていきます。

<滝澤キャスター>
これくらい強い措置が必要という意味の表れなのかもしれませんが、事実上、野党に回ることというのは比較第1党という中で可能なものなんでしょうか。

<井林衆院議員>
それは細川連立内閣のときも自民党は比較第1党でしたし、それは可能だと思います。

<滝澤キャスター>
そうした中でこういう措置をとるべきというふうに発言をされていると思うんですが、視点を変えてみるとそうなると、現在の野党が政権を担うことになると思うんですよね。井林さん個人としては、現在の野党に政権を任せてもよいとお考えでしょうか。

<井林衆院議員>
野党もですね。立憲の野田代表や国民民主の玉城代表は、民主党時代の政権時代にやられていますので、その反省をもとにですね。しっかり運営、前原さんは辞表を出されたってことはちょっとわからないですが、しっかりできると私は思っています。

<滝澤キャスター>
井林さん自身も初当選の際、自民党は野党だったわけですよね。それくらい野党に回るっていうのは強い措置というか、改めて意味があることなんでしょうか。

<井林衆院議員>
いや、もう私はもう二度とあんな思いはしたくないと思ってやってきましたけれど、ただやっぱりここまで国民の皆様の意見が我々の政策と食い違ってくると、やはりもう一回下野をしてお一人お一人の国民の皆様の声をきちっと聞いて向き合うってことがどうしても必要になると思います。

<水野涼子キャスター>
二度とやりたくないと思っても、それが必要だと。

<井林衆院議員>
二度とやりたくないと思っていますけれども、でもやっぱりそういう思いをみんなでしてですね。一から出直すということをやらなきゃいけないと思ってます。

<水野キャスター>
そして石破総理が続投となりますと、野党との連立を模索する可能性もあると思います。JNNの世論調査です。自公政権に新たな野党が加わるならの問いに対しまして。こちら調査によると、国民民主党がトップとなりました。井林さんは連立を組むなら、現実的にはどこと考えていますか。

<井林衆院議員>
連立政権を組むっていうことをするならば、今、公明党さんと連立政権を組んでいますが、選挙協力が必須になると思います。そうすると、やっぱり選挙区調整のしやすい政党ということに、現実的にはなっていくと思いますので、そうすると国民さんとか維新さんになってくる。参政党さんとは衆議院で多分過半数に届かないと思いますので、そこも含めてしっかり見ないといけないですね。

<滝澤キャスター>
水面下で総裁選をにらんだ動きも出てくると予想されますが、次の総理にふさわしいのはという問いに対しては、小泉進次郎さんが最も数字を集めているわけです。どんな方が次のリーダーにふさわしいんでしょうか。

<井林衆院議員>
私はもう今は我が党に総裁選をやっている体力がないと思います。本当に分裂の危機だと思いますので、総裁選なしで党内をまとめていける、そういう包容力と人格のある方になっていただく。それが一番だと思っています。

<滝澤キャスター>
具体的なビジョンが伝わってまいりましたが、改めて党の刷新に必要なこと、最後に一言聞いてもいいですか。

<井林衆院議員>
野党になって、国民の皆さんの意見、そして暮らしにもう一度誠実に寄り添う。そういう政党に生まれ変わる。それが一番だと思います。

<滝澤キャスター>
ここまで自民党の井林さんにお話をうかがいました。井林さん、ありがとうございました。

<井林衆院議員>
ありがとうございました。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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