
7月19日は土用の丑の日です。いま、ウナギの業界を熱くしているのが「メス」。2024年に生まれた浜名湖発のブランドウナギも、ほとんどがメスなんです。そのワケとは。
7月15日、都内で開かれた浜松ゆかりの人たちが集う交流会。この席で、浜名湖育ちの最高級ブランドウナギが紹介されました。
<浜名湖養魚漁業協同組合 小川博之統括本部長>
「養鰻家にとっても衝撃のウナギ。その味、脂の乗り、柔らかさ、今までのウナギ何だったの?」
その名も「でしこ」。「伝統を守り」、「進化を続け」、「幸福を届ける」という思いを込めました。参加者に振る舞われたのは、でしこがたっぷり乗った「でしこ丼」。この日のために、60尾用意しました。気になる反応は?
<参加者>
「めちゃくちゃうまいです。肉厚で。厚みが全然違う」
「う~んおいしい。ホンマにおいしい」
「すごく柔らかいです。おいしい。フワフワですね」
「おいしい、骨も気にならない」
<小川統括本部長>
「東京の方に知ってもらえるのが貴重な機会なので奮発した」
「おいしい、さすがですね」
<小川統括本部長>
「自信を持って売れるウナギができたなぁと」
「新ブランド名は…でしこです」2024年にお披露目された「でしこ」。最大の特徴は、そのほとんどが「メス」だということです。実は養殖ウナギの9割は、ストレスを感じてオスになるといいます。「でしこ」はその逆で9割がメス。そのワケはエサにありました。それが大豆イソフラボン。
女性ホルモンと似た働きをするとされ、エサに混ぜて食べさせるとウナギのメス化を促すといいます。浜名湖周辺の養殖業者がこの技術を取り入れ、肉厚で柔らかく、脂乗りが良い「でしこ」が生まれました。
デビューして初めて迎える土用の丑を前に、出荷作業が続いています。取材した17日も、丸々とした「でしこ」が計4トン持ち込まれました。
<浜名湖養魚漁業協同組合 鈴木智晴販売課長>
「品質面では自信がある、さらにグレードアップして。1年通して品質が安定している。多くの方に召し上がってほしい」
Q.期待しかない
「そうですね(笑)」
「お待たせしました!『でしこ丼』です」
組合の直営店などのほか、都内の一流ホテルや高級レストランなどでも扱われている「でしこ」。幻とされたメスウナギは、王国復権の旗振り役となりそうです。
メスウナギのブランド化は、愛知でも始まっていますが、浜名湖の養殖池は底が土で、天然のろ過技術が用いられるなど、ウナギを育てる環境が異なります。
メスとオスは、成長スピードに違いがあり、浜名湖周辺のウナギはオスは初夏から秋、メスは秋から春くらいが出荷に適したシーズン。年間を通しておいしいウナギを楽しむことができます。
「でしこ」は品質にもこだわり、2回の検査に合格したウナギだけが認定されます。