「海辺の町で暮らす自分たちにできることは?」アクセサリー作りに込めた思い プラスチックごみを再利用【SDGs】

静岡県東伊豆町のデイサービスに通う高齢者たちが、ペットボトルのふたなどを材料にして、アクセサリー作りをしています。そこには、海辺のまちで生まれ育ったからこその思いがありました。

色とりどりのペンダント、ピアスにネックレス。かわいらしいアクセサリーが、ズラリと並びます。実はこれらは全て、ペットボトルやスプレー缶のふた、小さなおもちゃが入ったカプセルなどが材料になっているアクセサリーです。作っているのは、東伊豆町社会福祉協議会のデイサービス「生きがい倶楽部サン・スマイル」に通う高齢者たちです。

<東伊豆町社会福祉協議会 北川雅子さん>
「ニュースなどでよくSDGsって聞くけど、それはいったい何だろう、ということから始まりまして。自分たちができるSDGsというのは何だろう、ということを皆さんで話し合いました」

東伊豆町は伊豆半島の東海岸にあり、相模湾に面しています。

「海辺の町で暮らす自分たちにできることは何だろう?」

彼女たちが着目したのは、海洋生物に深刻な悪影響を及ぼすとされるマイクロプラスチックの問題でした。そこで捨てられるはずのプラスチックを利用し、2025年4月からアクセサリー作りを始めました。ペットボトルのふたは元々、デイサービスのレクリエーションで使うために集めていましたが、現在も参加者などが家庭から持ち寄っています。

まず、ふたの脇の部分を切り取り、ひものように細く切り分けた後、さらに切り刻んで、細かい粒にしていきます。これらの粒の中から好きな色を選び、アクセサリーのフレームの中に収めます。アイロンの熱でプラスチックを溶かし、樹脂でコーティングして、出来上がりです。

<参加者>
「色合いの出来上がりがね、いろいろと考えるでしょ。出来上がるとうれしいですね」

<参加者>
「私たちは今まで、そんなことは考えていなかったけど、ごみは1つでもなくなるということは、いいと思います。捨てないでこんなことができることは、うれしいです」

「これ、ペットボトルのフタなんですよ」
「すごーい」
「SDGs推しなので」

作ったアクセサリーの販売も始めました。静岡県が主催した福産品販売会に参加し、アクセサリーを店頭に置くと、多くの女性客が足を止めて、その細かい作りに目を奪われていました。

<アクセサリーを購入した女性客>
「地球にもやさしいという活動とつなげて、すごいなあと思います。それを商品にして、また何かに、社会に還元できると思うと、初心者にも取り組みやすいSDGsというんですかね、すごい今、感心しています」

アクセサリーの売り上げは、作ったメンバーのおやつ代にするそうです。

<東伊豆町社会福祉協議会 北川雅子さん>
「今は、既存の枠でアクセサリーを作っているんですけど、東伊豆町オリジナルの型を作りまして、キンメダイです。町の土産物として売り出せたらいいかなと思ってます」

相模湾に面する東伊豆町の高齢者たちが始めたSDGs活動。プラスチックを海に流さないために、アクセサリー作りでごみを減らします。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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