海に流出したプラスチックごみを海底から回収する「ゴーストギア調査隊」の作業が4月2日、静岡県西伊豆町の沖合で行われました。伊豆のきれいな海、持続的な漁業を守る動きが加速しています。
<柴田寛人記者>
「地元で採れた海産物が並んでいます」
港で水揚げされた新鮮な海産物が売りの、西伊豆町の人気直売所。町の基幹産業でもある漁業を守っていく活動が本格的に進められています。
<WWFスタッフ>
「結構重いですね。10キロぐらいあるかもしれない」
地元のダイバーが4月2日、海底から回収したのは遺棄されたロープなどです。海中を幽霊のように漂う廃棄物の「ゴーストギア」。世界の海では毎年100万トンにも上るといわれ、海洋汚染につながります。
<WWFジャパン自然保護室 ヤップ・ミンリー博士>
「残った形状が、もし広がったまま残ってたら、魚もかかったりとか、ずっと水産資源の損失につながるゴーストフィッシングが、それも発生しているので、そういう面では、ゴーストギアがあることが悪いのは間違いないですね」
ゴーストギアは、海底でサンゴや海藻に覆いかぶさって破壊したり、海の生態系に悪影響を与えます。環境保全団体のWWFジャパンは2023年7月、市民ダイバーで構成するゴーストギア調査隊を発足。県内では2024年までに西伊豆町と伊東市であわせて8回の調査を実施、西伊豆沖では漁に使う網などが目立ったということです。
<WWFジャパン自然保護室 ヤップ・ミンリー博士>
「(きょうの回収について)ゴーストギアはあったんですが、それでも皆さんは網を落としたら、知り合いのダイバーさんに回収してもらうとか、そういう工夫をされていて、思ったほど、数が多くないというのが正直な感想ですね」
<地元の漁師>
「ここではエビ網、刺し網という名前だけどね、引っ掛かって取れなくなるんですよ。時々はそれを掃除しないとね、うまくないです」
町の担当者も活動の広がりに期待します。
<西伊豆町産業振興課 松浦城太郎係長>
「町全体で海の中をきれいにしていこうという機運がこれを機会に動いていってくれるとうれしいなと思います」