
3月下旬に解禁されたシラス漁の水揚げが低迷しています。静岡市では漁を中断する港も出ていて、漁師たちは「海に出ることが出来ない」と頭を悩ませています。
静岡市用宗と、焼津市に店舗を構えるたこやき店です。名物は「用宗産」のシラスをふんだんに使用したたこやき。この看板メニューにシラス不漁の影響が及んでいました。
<店員>
「仕入れ的には値段がちょっと上がったくらいなんですけど。だいたい200円くらいですかね」

減少傾向が続くシラスの漁獲量。県水産・海洋技術研究所によりますと2024年のシラス漁獲量は10年前の4分の1の2096トンでした。
<社会部 田島かのん記者>
「静岡市の用宗漁港です。本来であれば船は漁に出ていますがきょうは一隻も出港していません」
シラス漁が盛んな用宗漁港ですが、5月7日を最後に漁を見合わせています。
<漁師>
「ここ3、4年雰囲気悪いな。去年が一番悪くて、今年はさらに悪い。ここの用宗でお金になっている人いない。何にも海に行くことが出来ないから」
3月下旬に始まった漁ですが2025年の水揚げ量は2024年の6割ほどにとどまっているということです。(県水産・海洋技術研究所によると、3月21日の開始から4月末まで)
<清水漁協用宗支所 増田新支所長>
「7日ぶり、一週間ぶりになりますね。7日の水揚げやった日以来」
市場も閉め切られたままの異例の事態。
<増田支所長>
「去年と比べてと言っても比べようがないくらいに量がない。GW明けには期待はできるという話だったが明けてもそんな感じではないので待つしかないのかな」
卸業者も悲鳴を上げています。
<しらすのカネタ 田嶋敏正会長>
「4月に取れたシラスです。これは少し大きい。色の黒い、太めの大きなシラスしか4月もとれなかった」
いまは冷凍シラスを解凍して販売していますが多くの人が用宗のシラスを待ち望んでいます。
<田嶋会長>
「短くても1か月待ちくらい。相当予約が溜まっています。よそのよりも『用宗のシラス』といって買ってくださるのでありがたい」
不漁に直面するシラス漁。先が読めない自然を相手に気をもむ状況はしばらく続きそうです。