
2023年の5月と6月に襲った豪雨被害から約2年ぶりに、事業を開始した。従来のカヌー発着所から西に約100メートルの場所に代替発着所を暫定的に設置した。
マリーナは市の指定管理を受けて16年度から「天龍遊船」と「杉の里」の共同事業体で運営。天龍遊船によると、ピーク時には県内外から年間約1400人が利用し、初心者から上級者まで楽しんでいた。豪雨直前の5月の大型連休には、4日間で計51人が利用したという。
最初の豪雨の5月8日、マリーナ対岸の山林ののり面が崩落。天龍遊船主任の鈴木仁之さん(70)は「土砂と倒木で景色が変わっていた。これはすごいことが起きたな」と振り返る。6月2日の再びの豪雨では、カヌー発着所周辺に土砂が流入するなどして長期休止に追い込まれた。
鈴木順三社長(76)はリピーターから再開を尋ねる声がたくさんあったといい、「予約制など条件も変わって制限はあるが安全第一でやっていきたい。のんびりとした田舎の四季折々の変化を感じてもらえれば」と期待する。
再開初日の26日には、地元の天竜高ボート部の7人が湖内でのカヌーを楽しんだ。ダム湖にかかる歩行者・自転車用の橋「夢のかけ橋」や山の景色を湖上から堪能。2年山口皇我さん(16)は「前にこぐと風が当たって気持ちよかった」と語った。
市によると、最大でのり面は幅約30メートル、高さ約35メートルにわたって崩落した。旧発着所は県と市が27年度までに土砂撤去や復旧工事を行い、工事終了後に発着所を元に戻す予定。
■当面、土日祝日など限定営業
当面は中級者程度の利用者らを対象に土日祝日の正午までの利用が可能。1週間前までの事前予約制で営業する。ゴールデンウイークは29日から5月6日まで。
問い合わせは天龍遊船<電053(923)0433>へ。