
鈴木は前日の男子100メートル自由形の銀に続くメダル獲得。前日の女子100メートル平泳ぎ4位だった芹沢美希香(沼津市出身)は200メートル個人メドレーでB決勝に進んで3位。男子200メートル個人メドレーの前田龍佑(静岡市駿河区出身)は予選19位に終わった。
■鈴木、好タイムで納得の頂点
左の利き腕だけでなく四肢欠損の体全体を使って大きなストロークを描いた。男子50メートル平泳ぎA決勝で鈴木は予選から3秒近く記録を縮め頂点に。パラリンピック・パリ大会を制した得意種目で自身の想定を超える49秒台を出し、「好タイムでライバルに競り勝てた」と納得の笑みを浮かべた。
38歳のベテランは前日のレースの疲れがあり、「テンポを落として大きな泳ぎを意識した」と予選は体力を温存した。1段ギアを上げた決勝は好スタートを切ると一気に加速。パリ大会で16年ぶりに更新した自己ベストの48秒04に迫る好記録を出した。
周囲は2028年のパラ・ロス大会での活躍に期待を寄せるが、「まず1年ずつ。元々、気持ちの浮き沈みが小さい方でモチベーションはあってないようなもの」とけむに巻く。体のケアをしながら「練習量を落としすぎると戻すのが大変で故障も出る」とトレーニングを続け、とりあえずは自国で来年開催されるアジア大会に照準を合わせる。
今大会は最終日も50メートル自由形に出場する。「予選から全力で行く」。パラ水泳界の鉄人は歩みを止めず、まずは次のレースに集中する。