静岡県政が大きく揺れた川勝前知事の辞表提出から1年…県政運営やリニア問題に変化は? 県幹部OBの分析は?

2025年度が始まり10日が経ちました。2024年度の当初は静岡県政が大きく揺れていました。2024年4月10日は川勝平太前知事が辞表を提出した日です。今の鈴木県政がスタートし、まもなく1年が経ちますが、この1年間で何が変わったのでしょうか。

<川勝平太前静岡県知事>
「心境ですか、『散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ』ですか」

今からちょうど1年前。自らの辞表提出を前に、戦国時代を生きた細川ガラシャの辞世の句を読み上げた静岡県の川勝平太前知事。

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
「午前9時21分です。川勝知事が県議会の中沢議長に辞表を提出しました」

辞表提出は時間にしてわずか十数秒、終始無言で終わりました。県政を揺るがしたこの辞任劇のきっかけは、新入職員への訓示で発した職業差別ともとれる発言でした。その責任を取る形で「仙人になる」という言葉を残し、笑顔で県庁を去りました。

その後、行われた県知事選を制したのは、鈴木康友氏。15年ぶりに新たなリーダーが誕生しました。

あのドタバタ劇から1年。県政運営の両輪である県議会は、この1年をどのように捉えているのでしょうか。

<自民改革会議 相坂摂治代表>
「ついつい知事だけを見て行う行政というものが、かなり目についていたことが前知事時代にはあった。この4月から新しい組織で知事直轄組織は解体されて、企画部・総務部・財務部が独立しましたから、こうした点はこの1年間の中での成果が出たと思う」

川勝前知事に近かった第2会派のふじのくに県民クラブは。

<ふじのくに県民クラブ 田口章会長>
「やっぱり議会がこれまでは政局で動いていたというのが非常に残念だったところ。この1年は、しっかり政策を議論する議会に変わったなと思う。議会として本質的な活動に戻れていることは良いことだと思う」

<杉本キャスター>
15年の川勝県政、指揮を執る時間が長かったからこそ、その去り際というのが衝撃だったんですが、鈴木知事に代わって、また違った色の出た1年になりました。

<坂口記者>
川勝前知事と鈴木康友知事の2人をよく知る県幹部OBは「2人はアプローチの方法が違う」と分析します。「首長としてすべての県民を幸福に導いていく」というタイプの川勝前知事に対し、鈴木康友知事は「幸福を求める人をどのように支援していくのか?」という感じだといいます。

また、別の県幹部OBは、川勝前知事は文化人で、「文化・教育」に、鈴木康友知事は企業経営者で「産業」にそれぞれ関心があり、力の入る政策も変化したとのことでした。

<松下晴輝キャスター>
政策といえば、県内を揺るがしたリニア問題にも動きがありましたね。

<坂口記者>
鈴木康友知事は、就任直後から国交大臣やJR東海社長などと矢継ぎ早に面会し、川勝前知事が頑なに拒否したボーリング調査も実現しました。県政の最大課題について、県議会はどのように見ているのでしょうか。

<自民改革会議 相坂摂治代表>
「一番大きいのは、県民含めた我々のリニアに対するマインドの変化だと思っている。知事が変わったことで、リニアを問題として捉えるよりも、今後の国土利用の変化として、産業の変化や暮らしの変化につながっていくという政策的な捉え方に変わってきたと思う」

<ふじのくに県民クラブ 田口章会長>
「課題があるとすれば、情報をしっかり提供していくという所が、これまで欠けていたとすれば、それはしっかりコミュニケーションとっていってほしいと思う」

<杉本キャスター>
確かに進んだ印象がありますが、工事が進む他の県では、地盤沈下など、川勝前知事が懸念していた問題も噴出してますよね。

<坂口記者>
リニア問題に関わってきた県の元幹部は「川勝前知事も、鈴木康友知事も目指すところは同じ。県としては、28の対話項目をひとつずつクリアにしていくことが重要」と話していました。

このリニアの問題を含めて、鈴木康友知事が今後どう舵取りしていくのかしっかりと見ていきたいと思います。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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