
鈴木康友静岡県知事が就任して5月28日で1年が経ちました。リニア問題やハコモノ事業など多くの課題が山積する中、鈴木知事はこの1年の動きをどのように評価しているのでしょうか。
<鈴木康友 静岡県知事>
「スピード感を持って。特にできるところからしっかり着手をしていくということで、この1年取り組みを進めてまいりました」
5月29日、就任してからの1年を「スピード感をもって取り組んだ」と振り返った鈴木知事。2024年5月、15年ぶりに静岡県の新たなリーダーとして選ばれ、浜松市長時代の実績と経験を携えて鈴木県政をスタートさせました。
まず最初に手を付けたのは膠着状態が続いていたリニア問題です。就任直後から当時の国交大臣やJR東海の丹羽社長など、キーマンと相次いで面会しリニア問題にスピード感を持って取り組む姿勢をアピールしました。
そして、県が認めてこなかった本工事の前段階となるボーリング調査を容認。また、2025年1月には…
<JR東海 丹羽俊介社長>
「静岡と浜松に停車する『ひかり』を現在は基本のパターンで1時間に1本のところ、名古屋開業の時点では1時間2本」
リニア開業による県のメリットを引き出しました。鈴木知事はこのリニア問題について「順調に進んでいる」と評価しました。
<鈴木知事>
「JRとの対話もずいぶん進みまして、順調に進んでいると思っています。流域市町の皆さまのご理解も進んできていると思いますし、残りの対話項目についても順次対話を進めておりますので、できるだけ早く対話を終了すべく進めていきたい」
一方、川勝前知事の時代から引き継ぐいわゆる「ハコモノ事業」では、厳しい財政状況の中でいまだ多くの課題が山積しています。
県が、浜松市の篠原地区に建設を目指す新たな野球場計画では、ドーム型や屋外型など3つの案を検討していますが、2025年3月には、当初示されていた事業費が80億円も増額する試算であることが判明しました。
県と浜松市は2025年1月、球場の規模や費用負担を検討するため新たな協議会を立ち上げましたが、議論の長期化は避けられない状況です。
<鈴木知事>
「まだまだ緒に就いたばかりでありまして、これから民間の投資をどのくらい呼び込めるかということも含めて、色々な状況が考えられますので、柔軟に対応していくということが必要になってくる。それが私は経営だと思っている」
さらに最近、新たな問題として浮上したのが、県がJR東静岡駅南口に移転の計画を進める県立中央図書館です。
<鈴木知事>
「いったんここで、どういう風にしていくのかということについて、もう一度きちっと考えておく必要がある」
この事業をめぐっては、当初、整備費用として見込んでいた国の交付金が、想定よりも100億円ほど少なくなる見込みが明らかになり、鈴木康友静岡県知事も図書館の規模や機能などを再検討する考えを示しています。
あらゆる課題と向き合いながら迎える2年目の鈴木県政。「財政改革元年」として静岡県の舵取りを担うと意気込みます。
<鈴木知事>
「2年目はいよいよ本格的に県政に取り組める年になりますので。『チャレンジ元年』、また『財政改革元年』として、しっかり県政運営に取り組んでいきたい」