2025年4月は、4000品目を超える食品が値上げされる見通しです。春の「値上げラッシュ」を前に、客側も店側も頭を悩ませています。
静岡市内のスーパーで、買い物客から聞かれたのは悲痛な叫び。
<買い物客>
Q. 4000品目も値上げするが
「もうやだ、生きていけなくなるかも。どうしましょう」
<買い物客>
「『またか』という感じ」
消費者を悩ませるのは、春の「値上げラッシュ」。帝国データバンクは3月31日、4月に値上げが予定されている食品が4225品目になると発表しました。品目別では、味噌やコショウなどの調味料が最も多く、2034品目。次いで「酒類・飲料」が1222品目でした。
<スーパーマーケットマム広報課 白鳥那琉子さん>
「皆さまの手に取りやすい価格で提供したいという気持ちは強くあるが、厳しい現状も感じている」
酒やビック静岡瀬名店(静岡市葵区)では週末、駆け込みの買い物客の姿が見られました。
<酒を買う人>
「発泡酒と普通のビール3ケース。買いだめしようと思って」
<酒やビック静岡瀬名店 樋渡竜司店長>
「(値上げは)おおよそで350mlの缶で1本あたり10円、500mlの缶で1本あたり15円という形になる」
この店では、値上げを前に一部の商品を多く仕入れ、駆け込み需要に対応しましたが、心配なのは値上げによる「客離れ」です。
<樋渡店長>
「(値上げで)普段お買い求めいただいている皆さまのアルコール離れがあるのかなということが気になっている」
4月1日から値上げが予定されているのは、食品だけではありません。トイレットペーパーを販売する一部のメーカーは、4月1日から10%から15%の値上げを行う予定です。光熱費の高騰に加え、海外から輸入する原材料の値上がりも大きな要因です。
<丸富製紙 佐野裕宣営業統括本部長>
「(パルプの値段が)ピーク時は安かった時の3倍ぐらいの値段まで上がってしまったので、どうしようもない状況」
専門家は、人手不足による「人件費の上昇」も春の値上げにつながっていると話します。
<静岡経済研究所 田原真一研究員>
「人件費を上げていかないと、なかなか人が採用できない、あるいは引き止められないというような状況は続くと思う。その分を価格に転嫁していく流れは続いていくというふうに認識している」
帝国データバンクによりますと、値上げは少なくともこの夏まで続くということです。