
静岡市は、水道料金と下水道使用料を2026年6月に値上げする方針で7月25日、本格的な議論に入りました。難波市長は水道管などの耐震化を進めるためと説明しています。
生活に欠かせない水道水。7月、静岡市では、水道料金などの値上げの方針が示されました。その理由について、難波市長は。
<静岡市 難波喬司市長>
「これからの地震のことを思えば、上下水道が確保できない場合に災害関連死につながる恐れがありますので、備えのためにも、しっかり投資をしていく必要がある」
難波市長は、2024年1月の能登半島地震で水道施設が甚大な被害を受けたことをふまえ、取水から排水までの経路を耐震化する必要があると説明しました。
<社会部 大西晴季記者>
「駿府城公園のすぐ近くです。こちらの工事現場では、1メートルほど地面を掘り、水道管を取り付ける工事が進められています」
静岡市葵区の病院や避難所となる学校が集まるエリアでは、優先的に耐震工事が進められています。
<静岡市水道建設・維持課 本多一博係長>
「もしこれが古い管で管が抜けちゃったりすると、病院などの重要施設に水が行かなくなるから、大変なことになってしまう。震災が起きると、重要施設に送る水が大切になるので、そこを重点的に行わないと、各家庭に行くものも行かなくなってしまう」
静岡市の試算では、重要施設の耐震化の事業に約1040億円の財源が必要となります。1度の値上げで賄う場合は▼水道料金は1.5倍▼下水道使用料は1.4倍となる想定です。ただ、改定額が大きいことや世代間の負担の公平性を考慮して市は2039年度までに段階的に値上げする方針です。
<静岡市上下水道局職員>
「まずは、改定率について意見を賜りたいと考えています」
25日に開かれた上下水道事業経営協議会です。7月から12月にかけて改定の時期や改定率などを議論していきます。
<上下水道事業経営協議会 狩野美佐子委員>
「上下水道の財政計画を設定するにあたり、静岡市の人口推計はどの程度、勘案されている?」
<静岡市上下水道局職員>
「人口は減っていくことを前提に作成している」
静岡市は、協議会の議論をふまえ2026年2月の市議会に条例改正案を提出し、2026年6月に料金を改定する方針です。