大井川鉄道 28年度全線復旧へ 静岡県と沿線市町8億円支援で調整 22年に台風で被災

大井川を渡るSL 2022年9月の台風15号で被災し一部区間で運休が続く大井川鉄道を巡り、静岡県と沿線の島田市、川根本町、大鉄が28年度をめどに全線復旧を目指す方針を固めたことが26日、関係者への取材で分かった。運行再開に必要な費用として、県と2市町が約8億円を支援する方向で最終調整している。
 大鉄は台風により全線で土砂流入などの被害を受け、現在も川根温泉笹間渡-千頭間(19・5キロ)が運休している。23年3月には国や県、沿線市町などでつくる検討会が発足し、早期の運行再開に向け検討を続けてきた。
 復旧費用は20億円余りと試算されている。このうち大鉄の負担額は約8億円に上り、新型コロナウイルスや自然災害の影響で厳しい経営環境が続く中、財源をどう確保するかが焦点となっていた。
 関係者によると、災害復旧にかかる2億円余りを県と2市町が肩代わりし、経年劣化したトンネルや軌道整備に必要な5億円余りを県と2市町が大鉄に貸し付ける方向となっている。
 鈴木康友知事は25日の定例記者会見で「支援の枠組みについておおむね合意のめどが立った」と述べ、28日に島田市で開く検討会で詳細を公表する方針を明らかにしていた。

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