
ヒデ:山本被服さんの本社は?
山本:三島と沼津の間にある駿東郡清水町です。創業100年になります。
井川:すごい、大正時代から。
山本:1923年にロサンゼルスで創業して、僕のひいひいじいさんがロサンゼルスでスターオーバーオールカンパニーという会社を立ち上げたのが起こりになります。
ヒデ:どのような経緯でジーンズやデニムに?
山本:ひいひいじいさんがワイオミング州で、カバーオールやオーバーオールを着ながら炭鉱夫として働いていたんです。そこで目をつけて、向こうで会社を立ち上げたのが1923年。3年後に会社を沼津に持ってきました。
井川:デニムというと広島や岡山のイメージがありますけど、沼津の方が先だったんですね。
山本:30年以上当社の方が早かったということが分かりましたが、証明できなかったんです。その時にリーダーの石井が商標登録を見つけてくれました。
ヒデ:岡山は街全体でいろんな方を呼び込もうとしている。だからもっと有名にしていきたいですよね。
山本:少しずつ静岡県の中でも認知いただいてますので、広めていきたいですね。
10年かけて復刻
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ヒデ:アスルクラロ沼津をサポートすることになった経緯は。
山本:当社は創業当時から作業服をBtoBで納めていたので、なかなか社会貢献できてなかったんです。そんな中、2017年にアスルクラロ沼津さんがJ3に上がるということで、これはまたとないチャンスだと思い、スーツを無償で提供したのがきっかけです。
井川:Jリーガーと言えば、バスから格好良いスーツ姿で出てきます。
ヒデ:そこからデニム、さらにオーバーオールって発想が斬新すぎて。
山本:今年からアスルクラロさんが、ぜひオーバーオールをということで。「これを広めるためにも、ぜひ自分たちに着させてほしい」という声をいただき、提供することになりました。
ヒデ:我々今日特別に着させていただきました。かわいらしいから若い方は本当に受け入れやすいと思う。選手もちょっとラフな感じでもいいし、上に1枚ジャケットを羽織るとカチッとして、制服、さらに戦闘服に見えますもんね。
井川:選手たちはスタイルがいいから似合うんですよね。見た目パリッとしてるけど、軽いですね。
ヒデ:思ってる以上にやわらかい。生地の特徴は?
富所:生地は古い資料を見て、糸は何番とか調べました。1926年に沼津に渡ってきた時の生地は多分このぐらいじゃないかなと推測して、いろんな生地を集めて、これに落ち着きました。
井川:富所さんは普段自分の仕事もしながら、10年かけてこのオーバーオールを復刻したんですよね。
格好良く着こなしている選手は?

山本:当初、選手からはやっぱり反感の声もあったらしいんですけど、移動着としてオーバーオールを着たらざっくり着られるので、移動中も疲れないという声がありました。
ヒデ:サポーターの皆さんの反応は?
富所:やっぱり選手が着てるので、サポーターの人も応援する際にみんな着てきます。
ヒデ:デニムやオーバーオールって正しい着こなしももちろんあるでしょうけど、自由なところがあるじゃないですか、ちょっと片方外して着るとか。そこがいいですよね。
富所:ゴールキーパーの谷俊勲選手が着ているのを見た時、前当てが見当たらなかった。本当に普通のデニムパンツに見えて、こういう着こなしもあるんだなと。
石井:谷選手は最初のお披露目の時にカバーオールも着てくれてたんですよ。もうスタイル抜群でかっこよくて。
井川:作った側としてはしびれますよね。
山本:オーバーオールは13.25オンス、10.5オンス、それから子供用と3種類あります。
ヒデ:これは本当におすすめ。お値段も聞いていいですか。
山本:復刻版のオーバーオール、13.25オンスで3万3000円です。
ヒデ:お買い得。今日もジーンズを着てこようかなと思ったぐらい好きなんで、この良さでこの値段は買いですよ。
井川:購入は「スターオーバーオール」のECサイトから。
着れば着るほど味が出る
井川:アスルクラロの試合ではブースも出されてるそうですね。どんなブースなんですか?富所:ブースでは、選手も着てるオーバーオールやカバーオールを皆さんに案内するような仕事をしてます。デニムをいろいろ説明して皆さんにわかってもらい、「沼津にこんな会社があったんだよ」とか「実は沼津発祥なんだよ」ということを伝えています。
ヒデ:こういうのって着れば着るほど味が出て、永遠に着られるから、そこもいいですよね。
富所:当社は生デニムしか使ってないんですけど、自分の1着を最後の最後まで仕上げてもらうために、そういう形で販売させてもらってます。
ヒデ:若い子も着たらかわいいけど、おっさんこそ似合うと思う。
井川:イケオジになれますよね。

