【1.5℃の約束 静岡新聞SBS×テレしず】猛暑、台風…異常とも言えたこの夏の気象。未来の地球のために、一人一人が今からできることは?

静岡新聞SBSとテレビ静岡は2024年、局の垣根を越えた気候変動の共同企画「静岡からミライへ 『1.5℃の約束』」というキャンペーンを実施しました。今年も、9月20日から28日までの間、新聞、テレビ、ラジオでキャンペーンを展開しました。

気象予報士でもあるSBSの滝澤悠希アナウンサー、テレビ静岡アナウンサーの北村花絵さんをゲストに、「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティーの鉄崎幹人、SBSアナウンサーの重長智子が話を聞きました。

左からSBS重長アナ、SUT北村アナ、SBS滝澤アナ、番組パーソナリティ鉄崎幹人

静岡市中心部で41.4度! 記録に残る暑さ

鉄崎:今年の夏も暑かったです。ずっと暑い日が続いて、急に大雨も降ったりと、もう天気がおかしくなってると感じることが増えました。気象予報士のタッキーは、ズバリどう感じていますか?

滝澤:まず、やっぱり暑さですよね。静岡市中心部は今年41.4度まで上がりました。

鉄崎:まさか、記録に「静岡」って出るとは思わなかった。

滝澤: 注目してほしいのは、暑かった時間の長さなんです。この日は4時間にわたって40度を超えていたんですよ。

静岡もこの夏ずっと暑かったですが、全国的にも6月から8月までの平均気温は平年と比べてプラス2.36度でした。これは統計史上最高の数字です。

気象庁は、「地球温暖化の影響で」というように気象と結びつけて予報を発表することはそんなになかったんですが、「地球温暖化の影響で暑くなる見込みですよ」って言及しているんです。危機的状況ではあると思います。

鉄崎:僕が自然の中に出かけている中で思ったのは、スズメバチが大量発生してる場所があったりとか、高温で逆にカメムシが増えたりしているなということ。あとは野菜や果物、お米などへの影響も心配だよね。

予測困難な線状降水帯

滝澤:2つ目は線状降水帯。ニュースでよく聞くようになりましたよね。線状降水帯は短時間で猛烈な雨をもたらすもので、土砂災害や河川の氾濫のリスクが急激に高まります。

今の気象の解析システムでは、どれくらいのパーセンテージで線状降水帯が起こるかを予測するのがなかなか難しいんですよ。線状降水帯の予測情報が出た場合は、「発生するかもしれない」と身構えておくことが大事になってきます。

鉄崎:線状降水帯にしても豪雨にしても、海水温の上昇が大きく影響しているわけだよね。

滝澤:まさにそうです。海面水温が上がると大量の水蒸気が発生して、雨雲が発達しやすくなります。だから、地球温暖化によって危険な雨が増えるんじゃないかと言われているわけです。

台風にも温暖化の影響!?

鉄崎: 台風についても教えてください。

滝澤:9月5日に台風15号の影響で竜巻が発生して、牧之原で甚大な被害がありました。台風の発生数を月別に見ると、8月が年間最多なんです。一方、日本への接近数は8月と9月がトップタイで、上陸数だけ見ると9月の方が多いです。

海水の温度が上がると雨雲が発達しやすくなります。台風も海上の暖かい空気の影響などでできるので、基本的に地球温暖化によって台風も強大化すると言われています。

鉄崎: 怖いよね、そこが。

滝澤:さらに、今年は太平洋高気圧の張り出しが強いです。台風は、高気圧の縁を時計回りに回って日本に来るんですが、今年は太平洋高気圧の後退が遅いと言われているので、10月の台風発生や進路に大きく影響が出るかもしれないという予測も出ているんです。

重長:なるほど。

平均気温上昇を抑えるのは国際課題!

鉄崎:僕が海に潜っている中で思うのは、高い水温が好きなアイゴや黒鯛という魚が増えたり、伊豆ではソウシハギという元々南方系のカワハギがうようよ泳いでたりとか、変化を感じます。

それをなんとかしなきゃいけないってことで我々が提唱してきたのが、「1.5℃の約束」です。

重長:「1.5℃の約束」とは、パリ協定で掲げられた、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃以内に抑えようという国際的な目標のこと。すでに1.1℃ほど上昇していると言われているので、残りわずか0.4℃ということで、待ったなしの状況なんですよね。

鉄崎:世界のいろいろな国が協力していかなければならない課題でもあるんです。北村さん、テレビ静岡ではSDGsに関するどんな取り組みをされてるんでしょうか?

北村:地球温暖化に関して言えば、9月初めに子供たちを対象に、お天気講座のニュースキャスター体験というイベントを実施しました。

気温や天気について、子供たちにもっと身近に感じてもらえたらと、お天気原稿を自分たちで書いてそれを伝える体験をしてもらったり、テレビ静岡の小塚気象予報士から地球温暖化についてのお話を聞いて、温暖化防止に向けて自分たちにどんなことができるのかを考えてもらったりしました。

鉄崎:こういう地球にしちゃったのは今までの大人たちだからさ。子どもたちには本当に申し訳ないなって気持ちになっちゃうんだけどね。タッキー、いかがですか?

滝澤:静岡県は「クルポ」という地球温暖化対策アプリをやってるんですね。例えば、公共交通機関を使うと、自家用車で行くよりもCO2排出を減らせますよね。駅の構内など県内各地に「クルポスポット」があって、QRコードを読み込むとポイントが貯まり、その数に応じて景品が抽選で手に入るという取り組みです。

ゲーム感覚でできるものもあるし、身近なところでやれるものもあるので、できる範囲で取り組むのが大事なのかなと思います。

鉄崎:例えば、海岸を清掃して、ゴミを拾いながら貝を見つけたり漂着物を見つけたりしたら楽しいじゃん。環境活動って楽しくやった方がいいですよね。じゃないと続かないもんね。

北村:やっぱり楽しいのが一番ですよね。継続することも大事です。自分の家の生ゴミを少しでも減らしたくて、コンポストを始めてみたんですよ。

重長:へぇー!

北村:コンポストは生ゴミと土を混ぜて堆肥を作るものなんですが、いつかその堆肥を使って庭で家庭菜園ができたらっていう夢があって、ちょっと楽しみながらやってます。

鉄崎:​野菜がすくすく育ったら嬉しいですね。

北村:育ったものを食べた時どんな気持ちになるのかなって。子供たちにも食べさせたいですね。

重長:家族みんなでできますよね。

滝澤:北村さんは、お子さんと一緒にSDGsに取り組まれているそうですね。

北村: 週に1回は冷蔵庫の余り物で料理するようにしていて、最近は子供たちと一緒にやっています。子供たちも「こんなのが余ってるよ」と、冷蔵庫の中を覗いてくれて。

重長:すごくいい取り組み!

鉄崎:お子さんが一人暮らししたりした時も役立つし。

北村:そうですね。私は子供の頃に全然料理してこなくて、大人になってから苦労したました。子供たちは料理を楽しんでくれるといいなって思います。

鉄崎:地球温暖化というと大きすぎる問題に思えるんだけど、考える時は地球規模でも、行動する時は身近な1歩からしかないから。結局、できることをみんなでやることが大事なのかな。

滝澤:大げさに考えずに、できることを無理ない範囲で始めてみて、地球温暖化について自然と考えられるようになるのが大事かなと思います。

一人一人の行動が未来を変える!

鉄崎:地球温暖化はもう我々の生活に深く関わっています。大きな問題に思えるけども、実は一人一人の行動、選択が未来を変える力になります。

重長: 自分たちの行動が地球の未来、そして子供たちの未来にもつながっています。そう考えると少し意識が変わりますよね。

鉄崎:地球と静岡の未来のために、できることを一緒に考えていきましょう。

静岡新聞SBS・テレビ静岡共同企画として、テレビ静岡・北村花絵アナウンサーとSBSのアナウンサー気象予報士・滝澤悠希アナウンサーにお越しいただきました。どうもありがとうございました。

滝澤・北村:ありがとうございました。

※2025年9月24日にSBSラジオ「WASABI」で放送したものを編集しています。

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