
ジュビロ磐田は8月16日、アウェーで首位の水戸ホーリーホックと対戦します。今季8勝5分けで13戦負けなしと、本拠地では圧倒的な強さを誇る水戸ですが、磐田はここで勝利すればチームが好転し、優勝争いに辛うじて踏みとどまれる一戦となります。
今季の行方を左右する大事な一戦を前に、倍井謙選手、井上潮音選手、ヤンファンデンベルフ選手に意気込みを語ってもらいました。
MF倍井謙「上昇のきっかけになる試合に」
-8月10日のいわきFC戦はなかなか攻撃に転じることができませんでした。前節いわきに負けた後に秋田戦を振り返って、そこの原因というのをあまり突き詰められなかった結果が、いわき戦にもつながってしまったなというような気がしていて。
やっぱりどっちも相手の土俵でサッカーをしてしまったというのもそうですし、あとは自分たちはスタイルをぶらさずやっていますけど、前期はあまりうまくいかなかったときはもう一回、背後のところを突こうと言って、多少なりともちょっと蹴り出すようにはなって、それをしたことで相手が引くようになって中盤が空いてきたりとか、そういった改善策が見つけられたんですけど、今はそこがまた…。もちろん相手も対策してくるので、そこの解決策というものはあまり見いだせていないというのが現状かなという気がします。
-対戦相手は相当分析が進んでいるという印象ですね。
そうですね。中盤は2ボランチの1枚トップ下でいつもやっているのを、この間は1アンカーの2シャドーという形でやろうとしていました。ただそこがあまりうまくいかなかったというか、中盤3枚のところがどうしてもタイトに来ていて、そこであまり時間を作れず僕やジョルディ(クルークス選手)にボールが入る回数も自然と少なくなってしまったというのがあるので、あそこで捕まらないようにするにはどうしたらいいかというのをみんな各々感じたり、考えなければいけないですし。
あとは普段の相手よりは比較的タイトに来るようなチームカラーだったので、スピードで上回るじゃないですけど、あれだけ来てくれることを利用して、自分たちはポゼッションサッカーをする上で、あれをいなせるようにしないといけないと思うので、そこが今は足りないのかなと思いますね。
-右と左のウイングに入るところを寸断されると攻め手がなくなっているのが現状ですが、中央からの攻撃については。
良くも悪くも、うまくいっていない試合は間違いなくサイドが機能していないし、自分たちが苦しいなというのはあった。でも前期やっていて、それを踏まえて中央のオプションというのはどんどんどんどん増えていった中で、中央、サイドと3方向から攻められるようになってきてはいたんですけど、ここ2試合勝てないという現状がある。
でも、うまくいってないなりに自分たちは優勝を目指している、昇格を目指しているという中で、そういった試合も勝ちに持っていかなければいけない。
最低でもこの間の試合なんかは引き分け以上に持っていけるような、チームとしての力強さというのも付けないと本当に厳しいなというのを、みんなそこは危機感をすごい感じていると思います。
-タレントがそろっているだけに、悔やまれる2試合でした。
そうですね。人もそうだし、間違いなくJ2にいてはいけないようなチームだとは思うので、やっぱりピッチの上で、口で言うのは簡単で、表現できていないというもどかしさをすごい感じていますね。
-水戸との開幕戦で倍井選手はゴールを奪いました。そこから相手の変化などはどのように感じていますか。
どうですかね、でも多分大枠というか、チームとして芯となる部分はあまり変わっていないような気はしているんですけど。ただやっぱりこれだけ日が経っているので、水戸もチームとして熟成度というものは間違いなく上がっていると思うし、何よりも自信というところが僕らよりは多分、圧倒的にあるチームだと思うので、ここで僕らがそれを折れるように。千葉なんかはずっと勝っていた中で僕らが勝ったというのもあったので、また僕らが上昇できるきっかけとなる試合にできればいいなと思います。
MF井上潮音「自分はボールを持ってなんぼ」
-チームとしてはリーグ戦再開後2連敗となった。
自分たちのやりたいサッカーができずに秋田といわきの試合は負けてしまったと思うので、また自分たちのサッカーというのを思い出し、ぶれずにやっていくことが大事かなというのは思っています。
-いわき戦はアシストするなど個人としては良かったのでは。
0-2の状況で入ったので、最低でも引き分けに持っていければよかったかなと思いますけど、それはできていなかったので、次の試合では絶対にチームの勝利に貢献したいという気持ちが強くなった試合かなと思います。
-自身の感触は。
コンディションは日に日に上がってきていますし、あの試合もコンディション自体は良かったので、また次の試合でまたよくなればいいかなと思います。
-次は首位の水戸ホーリーホックと対戦する。
ここでもし負けてしまうようなことがあると本当に難しくなると思うので、それはもうチームみんなが分かっていると思いますし、本当に100パーセントの準備をチーム全員でしていければいいかなと思っています。
-どんなプレーで貢献したいか。
前節は得点に関わるプレーができましたけど、そういうプレーができればベストですけど、それができなかったとしても、チームに流れを持ってくるような、自分たちはボールを握りたいチームなので、その中心に自分がいられるようにしたいなとは思っています。
動きながら、ボールを触ってなんぼの選手だと思っているので、そこは意識しながら、チームとしてもそこを(自分に)求めていると思いますし、自分の特長を出すことで、チームにプラスをもたらせられるかなとは思っています。
-金子大毅選手が出場停止。ハッチンソン監督からも先発を勝ち取ってほしいと期待を込められている。
僕にとっても正念場というか、相手は首位ですし、絶好の機会かなと思っています。
-今の水戸の印象は。
アグレッシブで、若い選手が多いですし、そういうような相手に2敗してしまっているというのがあるので、ここでそういうチーム相手にそういったイメージを払しょくできれば。さっきも言いましたけど(水戸は)首位ですし、勝てば本当にチームに弾みがつく1勝になるんじゃないかなと思います。
-激しいプレスを仕掛ける相手へのポイントは。
やっぱり前節の前半の立ち上がりとかも繋ぎすぎて、そこにこだわりすぎてしまう部分がチームとしてあったと思うので、もうちょっとアバウトに前に入れてセカンドボールを拾うだとか、そこの柔軟性はもうちょっと持ってやりたいかなとは思っています。
-いわき戦で出場したときは1アンカー2シャドーのシャドーでプレーしたが、ダブルボランチになったときはどんな意識でプレーするか。
シャドーに入ったときは得点に関わるプレーというのは増えると思いますけど、そこまで変わらないですね。
DFヤンファンデンベルフ「自分たちの土俵で」
-振り返りたくないかもしれないが、計7失点した2試合について。
振り返りたくないというものではあるかもしれないけど、きちっとそこは自分も振り返らなければいけないし、自分たちが何ができたか、何ができないかというのは見つめ直さなければいけないので、常にそこから学ぶことは絶対必要です。
前の2試合に関しては、やはり闘う姿勢とか、自分たちのサッカーというのが全くできず、相手に最初から最後までずっと彼らのサッカーをやらせてしまった。
彼らの強みが出るようなことをさせて、途中でも修正できなかったというのが自分たちのウイークポイントでもある。自分たちのサッカーをするためには何をすればいいのか。試合の中で同じことを繰り返して立て直せなかったというところが自分たちの敗因の大きなポイントだったと思うので、自分たちのサッカーをどうやって出せるのか、その辺をきちっと見つめ直してどうすればいいかというのはしっかりやらないと、また同じことを繰り返してしまう。それだけは二度と起きないようにしたいと思っています。
-次戦は首位の水戸戦。好調なチームと対戦するときに大事なことは。
自分たちの土俵でサッカーをするということがポイントになってくるので、いかにそういうことができるかというところ。自分たちにはすごくいい選手たちがいて、そこは間違いないと思っているので、自分たちのサッカーができれば間違いなく結果がついてくると思っています。
あとは激しく球際だったりセットプレーのところ。2試合は簡単にやられて失点しているので、そういうところを全員が高い意識を持ってやらなければいけない。あとは全員がボールを欲しがる。ボールをもらうというところで言うと、自分たちは自信を失ってしまっている。自分たちはボールを持ってイニシアチブを取ってやらなければいけない。全ての選手や自分がボールを受けて何かするという、そういう責任感を持ってプレーしなければいけないなと思っています。
逆に言うとああいう相手(秋田やいわき)のように激しく来る、球際で来るという相手には当然そうなるというのも分かるけど、自分たちが持っている目標だったり、志というのがJ1で戦うというところにあるのであれば、ああいう相手こそ自分たちでいなして戦い、自分たちがボールを持って主導権を持ってプレーできるように、そういうふうにしないと結局自分たちの目標というのは達成できないし、そういう試合こそ自分たちのものにしないといけないなと感じています。
自分自身の役割もそうですし、チームとしても守備というところではうまくいってないというのは数字にも出ていますし、正直セットプレーで大量失点しているというのはどう考えても修正しなければいけないし、それをやらないとずっとこれが続くんじゃないかと思います。
そういうところでも自分自身のやらなければいけない部分は間違いなくディフェンスの部分で大きいですけど、チームとしてオーガナイズしなければいけないということもすごく感じています。