
藤枝MYFCは7月12日、ホームでベガルタ仙台と対戦し、1−1で引き分けました。前半にMF浅倉廉選手のゴールで先制して流れをつくったものの、後半開始早々に同点ゴールを献上。その後、FW中川風希選手がゴールネットを揺らしましたが、直前のファウルでプレーが止まっていて得点とはならず。悔しい勝ち点1となりました。
ただ、後半は劣勢を強いられた中で粘り強く守って逆転は許さず、成長を示した戦いでもありました。前節は5位徳島ヴォルティスに勝ちきり、今節は2位の仙台とドロー。上位との2試合で勝ち点4を得たことを糧とし、次は16日の天皇杯でJ1サンフレッチェ広島に挑みます。
13日の練習後、須藤大輔監督、選手が取材に応じました。
須藤監督、天皇杯の広島戦どう戦う?
―悔しい勝ち点1となった。
本当に選手はタフに戦ったと思います。外的要因もありましたが、気持ちが切れることなく戦い続けたのは素晴らしいことだと感じます。今までは思い通りにならない時に気持ちが切れてしまうことがありましたが、最後まで守り切っての勝ち点1。欲を言えば勝ちきりたかったのですが、幸運は次の試合以降に降ってくると思って、しっかり自分たちにベクトルを向けてやっていきたいです。
―1万人近くの観衆が訪れて雰囲気も良かった。
今まではあのような環境の中、サポーターに喜ぶシーンをなかなか見せることができていなかったので、昨日のゴールで一つ打破したと。あともう一つ、勝利をプレゼントしたかったです。われわれは夢を与える仕事ですから、戦う姿勢を見せて今以上のものを出していきたいです。
―徳島、仙台を相手に勝ち点4。内容も伴っていると感じる。
トップ6の相手に今までは負けていたことを考えれば良いことなのかなと思います。ただ内容を見てみると、まだゴール期待値が低かったり、決定機をつくられてしまったり。後半の入りというやってはいけない時間帯での失点も修正しなければいけないです。でもトップ6に対して互角の戦いができるということは、本当に自力がついてきたのではないかと思います。
―ゴールネットを揺らすという部分は成長を示している。
本当にそうですね。(浅倉)廉のシュートしかり、(中川)風希のプレーしかり、ネットを揺らすことはできています。今治戦でもできていて、結果としてつながらなかったのはもどかしいですが、信じてゴールの近いところにボールを運んでいく、複数人で入っていくことを続けたい。前半の得点場面は廉の前にドミ(久富)も入っていたし、分厚い攻撃はできてきていると感じます。
―天皇杯では広島との対戦。ポイントは。
カテゴリーが上の相手に対して自分たちがどれぐらいできるのか。われわれの下関との初戦は少し受けに回った部分がありましたから、今回は広島を受けさせるような入り、ゲームコントロールをしていきたいと思います。
相手はどのようなメンバーで来るかは分かりませんが、強さを遺憾なく発揮するサッカーをしてきますから、デュエルの部分で勝つこと、デュエルにならないようにというのはポイントになると思います。
―自信を深めつつある中でJ1クラブとできるのは意味がある。
本当にそう思います。それも、下関戦で勝利を拾ってくれたメンバーがいたからです。今回は中3日ですが、コンディションの良い選手、連戦になる選手、いや俺が出るという鼻息の荒い選手でいきたいと思っています。胸を借りるのではなくガチでいくというマインドでやっていきたいです。上昇気流に乗り、リーグ戦にも弾みをつける試合にしたいです。
―浅倉選手が数字を残し、充実している印象がある。
違いをつくれる選手です。1人で狭いスペースでもターンをして、相手がファウルでしか止められない状況をつくっています。自信を持ってほしい。90分間運動量が落ちないし、少しぐらい当たられても倒れない体幹の強さも発揮しています。
彼は最近数字を残してきていますが、今までも枠に嫌われたり、もう少しというところで外れたり、アシストになりそうな良いボールが実を結ばなかったりというプレーもありました。何個かの損はしていますから、その分後半戦で量産していってもらいたいと思います。
―中川風希選手も存在感を示している。
廉と同様に質の部分があります。受ける質も素晴らしいものがありますし、味方を使い、生かすこともできます。なかなか試合のメンバーに絡めなかった時も、しっかりやり続けたからこうして今のスタメンがあるので、本当にチームにとって良い影響になっています。
今メンバー外の選手も光が見えると示してくれているプレーヤーだと思います。これからもゴール、アシストでチームに貢献するプレーを期待しています。
MF浅倉廉「上に行く一歩に」
浅倉廉選手は前半、チャンスで確実にゴールを決め、チームの顔として存在感を発揮しました。ここ最近は数字も残して非凡なプレーにさらに磨がかかり、充実ぶりがうかがえます。
―得点シーンを振り返って。
味方が左サイドをえぐったときに、マイナスの位置にクロスがくるなと思ったので、落ち着いて打てました。思ったよりも冷静で、ファーに流すコースも見えたので落ち着いて流せました。
―ここ最近は確実に手応えがあるのではないか。
正直まだまだだと思いますが、あの場面は得点につながったので良かったです。
―先制後の攻撃について。
チームとして1点取った後に追加点を取りたかったですし、個人的にはあの得点以外はあまり良くはなかったです。もっと得点以外の部分にもこだわってやっていきたいです。
―ピッチ上の立ち位置の変化は生まれているか。
須藤さんは選手の意見を尊重してくれます。相手を分析する中で選手一人一人が流動的に動いて臨機応変にやるような、その場の発想を大切にしています。それが新しい変化として良い方向にいっているのだと思います。
―天皇杯は広島との対戦。
力のある相手なのでチャレンジしていきたいです。自分たちが良い状態であれば戦えると思うので楽しみにしています。
―チームとして良い状態の時にJ1チームとできる。
良くなってきていますが、チームはもっと上を目指しているのでより良くしたいです。戦いながら成長していると思うので、その中で大きなクラブと戦い、勝つことでより自信にし、上に行く一歩につなげたいです。
―試合に向けて意気込みを。
メンバーはまだ分かりませんが、結果や最後の精度にこだわりたいです。強い相手にも結果を残して、できることを証明したいです。