​【herpianoの新アルバム 「Three」リリースツアー「 FINAL!」】 「4人編成」で爆発力アピール

静岡新聞論説委員がお届けするアート&カルチャーに関するコラム。今回は10月5日に静岡市葵区のライブバー「フリーキーショウ」で開かれた静岡市の3人組バンドherpianoのライブ。新アルバム 「Three」リリースツアーの「 FINAL!」。

12年ぶりのフルアルバム「Three」のリリース記念ツアー最終日は、ホームグラウンドとも言える「フリーキーショウ」で。気心の知れたnemo、tatamiの両バンドとのライブは、緊張と弛緩が適度に入り交じった心地よい音空間となった。

「Happiness is Everywhere」「The Second Moon」という新作の冒頭を飾る2曲に始まり、10数曲。20年前から活動を続ける牧野洋平さん(ギター、ボーカル)、木村真理子さん(ベース、ボーカル)、牧野俊太さん(ドラムス、ボーカル)のアンサンブルは、いい意味で「手だれ」感がない。「青春のたぎり」が荒っぽさも含め、残っているところが美点だ。

ハイライトは新作の録音エンジニアを務めたDaisei Shimoさんをギターに加えた本編ラスト2曲。ハードコアバンドnemoのShimoさんが音塊に分厚さを加えた「NIDONE with SOINE CAT」「fuck you」は、herpianoの爆発力の高さをアピールした。1990年代にスコットランド・グラスゴーのバンドたちが、米西海岸のサブポップレーベルのグランジ系バンドと、密に交流していた様子を思い起こした。

「今日で主役扱いのライブは終わり。でも11月からライブは続く。人生と同じように」と俊太さん。名言。(は)

静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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