
12年ぶりのフルアルバム「Three」のリリース記念ツアー最終日は、ホームグラウンドとも言える「フリーキーショウ」で。気心の知れたnemo、tatamiの両バンドとのライブは、緊張と弛緩が適度に入り交じった心地よい音空間となった。
「Happiness is Everywhere」「The Second Moon」という新作の冒頭を飾る2曲に始まり、10数曲。20年前から活動を続ける牧野洋平さん(ギター、ボーカル)、木村真理子さん(ベース、ボーカル)、牧野俊太さん(ドラムス、ボーカル)のアンサンブルは、いい意味で「手だれ」感がない。「青春のたぎり」が荒っぽさも含め、残っているところが美点だ。
ハイライトは新作の録音エンジニアを務めたDaisei Shimoさんをギターに加えた本編ラスト2曲。ハードコアバンドnemoのShimoさんが音塊に分厚さを加えた「NIDONE with SOINE CAT」「fuck you」は、herpianoの爆発力の高さをアピールした。1990年代にスコットランド・グラスゴーのバンドたちが、米西海岸のサブポップレーベルのグランジ系バンドと、密に交流していた様子を思い起こした。
「今日で主役扱いのライブは終わり。でも11月からライブは続く。人生と同じように」と俊太さん。名言。(は)
