襲われる危険は?バッタリ遭遇した時の対処法は!? 静岡の山で出会う動物ベスト5

危険度の高い動物への対処法、伝授します

SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」のパーソナリティーで、自然をこよなく愛する鉄崎さんが静岡県内の山で出会う動物ベスト5を危険度と共に紹介しました。聞き手はSBSアナウンサー堀葵衣。

ニホンザル(鉄崎幹人さん撮影)


鉄崎:昨日、山梨県南部町辺りの山の中を車で走っていたら、1頭のウリ坊に出会いました。「めっちゃかわいいやん」と思いましたが、親のイノシシが近くにいるかもしれないと思い、車から降りることはしませんでした。ということで今日は、静岡の山でよく出会う順にその動物の危険度も5段階で紹介します。

よく出会う動物 第1位:ニホンカモシカ

ニホンカモシカ(鉄崎幹人さん撮影)

鉄崎:まず第1位はニホンカモシカです。偶蹄目ウシ科の動物で藤枝市の瀬戸ノ谷やオクシズ、粟ヶ岳周辺でよく見かけます。驚くほど斜面が急な岩場にいることがあって、この前は落石防止のためにコンクリートで塗り固められたのり面にいたしね。

堀:へぇ〜!

鉄崎:ほぼ垂直な場所で隙間から生えている草を食べていて「お前らすげえなぁ」と思いました。

でも、ウシの仲間なので驚くほどのんびりしています。僕は5〜6分じっと見つめ合ったことがありますが、向こうは「何か用?」みたいな感じでした。1950年代までは乱獲で生息数が減っていましたが、密猟防止に加えて針葉樹の植林が進み、食べ物が増えたことで増加しました。さらに、国の特別天然記念物に指定されているので、猟れない。撃っちゃいけないんです。守られているので相当増えていると思います。

そして、気になる危険度は…1です。よっぽどのことがない限りニホンカモシカは大丈夫です。

堀:さわることはできるんですか?

鉄崎:さわれないです!!大体、野生動物は逃げていきますから。ムツゴロウさんでも無理です(笑)。

よく出会う動物 第2位:ニホンアナグマ

ニホンアナグマ(鉄崎幹人さん撮影)

鉄崎:続いてよく出会う動物第2位!!ニホンアナグマです。食肉目イタチ科の動物で、バイクや車で走っていると人里近くでよく見かけます。

タヌキとほぼ同じ生活スタイルなので、日本では古くからアナグマとタヌキを「ムジナ」として一緒くたにして呼んでいます。だから「同じ穴のムジナ」ということわざが生まれました。

堀:なるほど。

鉄崎:アナグマを見つけた時、ちょっと車を降りて写真を撮ろうとするとノソノソ〜ッとお尻を振りながら逃げていく姿がたまらなくかわいいですね。危険度は…0です。

堀:ほぉ!

鉄崎:体も小さいですし、襲ってくることもないですからね。

よく出会う動物 第3位:ニホンジカ

ニホンジカ

鉄崎:では第3位!ニホンジカです。偶蹄目シカ科で、伊豆や富士周辺でよく見ますね。シカは日の出や日没前後に動きます。イネ科の草やササ類、木の樹皮をはがして甘いところを食べてしまうため、木が倒れて富士山や伊豆の山では大問題になっています。シカがいることによってはげ山になってしまうんでね。

危険度は…1です。向こうから襲ってくることはないんですが、万が一車ではねてしまった場合は結構大変なので1とさせていただきます。

堀:なるほど。

よく出会う動物 第4位:イノシシ

イノシシ

鉄崎:続いて第4位は…イノシシです。偶蹄目イノシシ科で県内そこらじゅうにいますが、浜松の浜北森林公園に行くとエサをほじくり返した跡がいっぱい見つかります。実はここで以前、事故も起こりました。

元々は昼行性ですが、最近は人間が活動している地域では夜行性に変わります。なので、夕暮れ時の山はちょっと要注意です。特に最近は山にエサが少ないので食べる物を求めて里によく降りてきます。危険度…4です!

堀:えっ!?結構、高いですね。

イノシシに出会ったら太ももの内側を守る

鉄崎:なので、イノシシに出会ってしまった時の対処法を覚えておいてください。これ、出会う可能性がありますから。

まず、刺激しないこと。次に、背中を向けて走らない。

堀:うんうん。

鉄崎:イノシシはクマと違って木に登れないので、木とか鉄塔とかできるだけ高いところに逃げるということを覚えておいてください。

一番気をつけないとヤバイのは、イノシシに出会ったら特に太ももの内側を守ってください。なぜかというと、大人のイノシシの口元がちょうど人間の股間に来るんです。太ももを噛んだり、牙で刺してきます。

そうすると、ここは動脈が走っているので大量出血で死に至る場合があります。実際に亡くなっている例があるので、とにかく体をかがめて足を閉じて、太ももの内側を守る防御の姿勢を取るのが大事だと言われています。

堀:でもなかなか怖いですよね…。

鉄崎:なので高い所を目指すのがいいと思います、あと、犬がイノシシを刺激するので、森の中では犬を連れて行かない方が良いです。

よく出会う動物 第5位:ニホンザル

ニホンザル(鉄崎幹人さん撮影)

鉄崎:では第5位…。ニホンザルです。霊長類オナガザル科、よく見かけるのは安倍奥です。あと南伊豆でもたくさんいます。群れで行動するので大体1頭いれば他にも必ずいます。ただでさえ賢いサルですが最近は驚くほど大胆になって、人家に入ってくるようになりました。以前岐阜で家のゴミ箱を開けているのを見ました。

堀:へぇ〜。

サルとは「目を合わせない」が鉄則

鉄崎:特に1番こわいのは人に餌付けされたサルです。人はエサをくれると思って力ずくで奪いに来ます。危険度は3です。動物の中でも特にサルは「目を合わせちゃいけない」って覚えておいてください。

堀:目を合わせるとどうなるんですか?

鉄崎:ヤンキーと同じで「メンチ切ってる」と思われます。サルとヤンキーは目を合わせない!これが鉄則です。

堀:サルはどのように攻撃してきますか?

鉄崎:噛んできます。人を食べるわけではなく、人が持っているものに興味を示すので、バッグを置いて逃げるのが良いでしょう。

県内の山中には、他にイタチ、タヌキ、キツネなどがいます。僕は静岡でまだツキノワグマには出会ったことがありませんがクマが危険度5でマックスですね。最も危険だと思います。

いずれにしても動物がいる中へ人間が行く時はくれぐれも注意していただきたいです。ツーリングやドライブをしていると毎回必ず思った以上に野生生物に出会います。静岡の自然の豊かさでもあるのでしょうね。

※2024年8月26日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。鉄崎さんが愛する自然や生き物について語る「クローズアップ生き物」のバックナンバーはPodcastで聞くことができます。

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