【直木賞候補作を読む④青崎有吾さん「地雷グリコ」】真兎と鉱田、成瀬と島崎

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。不定期で、7月17日に選考発表がある第171回直木賞の候補作を紹介する。第4弾は青崎有吾さん「地雷グリコ」。10日のSBSラジオ「3時のドリル」では、同賞の選考予想を行った。

類いまれな観察眼を駆使して、リスク大のゲームに挑む「ちゃらんぽらん系」高1女子の射守矢真兎と、同級生「鉱田ちゃん」。真兎は勝負の相手の一挙手一投足から細かく情報収集し、鉱田ちゃんはそんな真兎をぼんやり見つめる。富士市出身宮島未奈さんの「成瀬」シリーズの成瀬と島崎を思わせる、異なる感度の絡み合いが楽しい。五つのゲームがロジカルに語られるが、特に「自由律ジャンケン」の大どんでん返しはあっけにとられた。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1