【須藤萌子さん個展「植物は囁く」】銅版画から伝わるメッセージ

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、東京都中央区銀座の「ギャラリーUP・S」で5月19日まで開催中の、版画家須藤萌子(すどう・ほうこ)さん(静岡市葵区)の個展。
エッチング銅版画の繊細な線と、不確実性を秘めた色の濃淡が美しい。自宅鉢植えのサボテンからインスピレーションを受けたという展覧会のタイトルシリーズは、本来静的であるはずの植物の、動的な側面が強調される。こぶ状の突起が上へ上へと膨らんでいくさま、身を寄せ合うようにひしめく微生物のような「細胞」一つ一つから、脈動と膨張の決意が伝わる。メッセージが実に明瞭だ。生命の普遍的な意志が見る者に向かって迫りくる。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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