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静岡ジュニアサッカー界を席巻中!元JリーガーのFCガウーショ柴原誠監督が理想に掲げる選手育成とは…

SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、さまざまな大会で大躍進を見せている創設3年目のサッカークラブ「FCガウーショ」の柴原誠監督をお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん。

ヒデ:監督というよりも、プレーヤーとしか見えない。まだ若いですよね?

柴原:31歳です。

ヒデ:それで結果を出しているからすごい。

鬼頭:まずは監督のプロフィールから。1992年生まれ、静岡市出身。清水エスパルスのユースからトップチームに昇格し、FC岐阜、福島ユナイテッドFCでもプレー。2014年の現役引退後、エスパルスのサッカースクールのコーチに就任しました。

2021年にFCガウーショを設立し、23年に全日本U-12サッカー選手権大会静岡県大会で優勝。ジュニア世代の主要な全国大会に出場しています。

ヒデ:この静岡というサッカー王国で、トップを取るのは至難の業だと僕は思います。3年っていうのは本人も驚きですか。

柴原:こんなにうまくいくとは正直思っていなかったんですが、立ち上げの時から目標設定を全国制覇に置いていました。選手たちと向き合ったことで、良い結果が運良くついてきているのかなと感じています。

ヒデ:タイトルを取った大きな要因は何だとお考えですか。

柴原:目の前の試合よりは、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年後のスパンで、目の前の選手たちと接するようにしてきました。、親御さんの負担にはなるのですが、県内で優勝するためには県外に出てレベルアップしないといけないし、全国で優勝するためには世界に出ないといけないっていう大きな枠組みで考えています。

クラブが掲げる「VIP」とは…

鬼頭:チーム名の「FCガウーショ」、この名前にはどんな意味が?

柴原:僕が小さい頃にブラジル代表のロナウジーニョ選手が大好きで、プレーを真似していました。そのロナウジーニョ選手に「ガウーショ」という愛称がついていて、そこから取らせていただきました。

鬼頭:週に何回、どこでどんな練習をしているんですか。

柴原:静岡市の南藁科小学校を拠点にしていて、基本的には週4日活動しています。それとは別に月曜日は選抜した選手たちの大会前の調整、年間を通して各学年の優れた選手を呼んで特別レッスンなどをしています。

鬼頭:ホームページもしっかりしていて見やすいです。その中に「VIP」という文字がすごく出てきます。このガウーショ3本柱「VIP」とはどういうことを表しているんですか。

柴原:まずVが「Victory(勝利のために)」。やっぱり選手や親御さん、スタッフも勝ちたいと思っているので、目の前の勝負にしっかりこだわらせるということは、一番に置いています。Iは「Intelligence(賢く)」。「ずる賢く」と言った方がいいかもしれないですね。

ヒデ:大事ですよね。

柴原:サッカーIQをより追求していこうということで、速いとか大きい、早熟というところで勝つのではなくて、しっかりサッカーの頭を使って選手を育成する。

Pは「Playful(遊び心を持って)」。ロナウジーニョ選手もそうなんですが、見ている人を魅了したい。強いだけじゃなく、面白いサッカーや「頭いいな」というところを相手や見ている人たちに感じてもらえるような部分を大事にしていますね。

ヒデ:ロナウジーニョのサッカーがそうでしたからね。それでいて強かったらなおさら魅了される。

柴原:難しいところは、遊び心という部分は強さと比例していない可能性があるところです。先に「遊ぶ」がきてしまう可能性があるので、僕らは「強くて」を大前提に置いています。

ヒデ:強くて技術がないと遊べないし、遊んでいる場合じゃないですよね。

鬼頭:そのようなチームを作るための特徴的なトレーニングは?

柴原:「学年撤廃」をやっています。ほかのクラブや少年団は1年生、2年生というように学年で動くと思うんですが、僕たちは学年を取っ払って、うまい子、まだサッカーを始めたばかりの子、まだまだこれからの選手、とレベル分けをしています。

レベルをしっかり合わせてあげて成功体験と失敗体験をバランスよく積ませています。その子が今1番必要なものを獲得できるようなシステムにしています。

鬼頭:実際に3年生や4年生で、6年生とかのレベルでやっている子もいるんですか。

柴原:います。

ヒデ:世界はそういうものですからね。僕も小学3年生の時に、上のカテゴリーの人たちとやりたいなって思ったんですが、やらせてもらえなかったんですよ。

でも「それはおかしいよね」みたいな考えがチームの中で一部できて、4年生の時はもう6年生と一緒にプレーさせてもらった。その結果、伸び率は上がった。大事ですよね。

柴原:「学年撤廃でやります」というのを、入団の時にサインをいただいています。

「サッカーは人間形成のツール」

鬼頭:セレクションはあるんですか?

柴原:一応セレクションはやっていますが、いつでも体験してもらって構わないですし、基本誰でも入れます。

鬼頭:選手は何人ぐらいですか。

柴原:80名ぐらいで、幼稚園児を入れたら100名弱ぐらいです。

鬼頭:ホームページを見ると勉強の話も結構あって、サッカーのみならず、いろんなものを用意してらっしゃるんですよね。

柴原:サッカーは人間形成の中の一つの打ち手として考えているので、「サッカーというツールを使って子どもたちに何が提供できるのか」を考えています。

僕らの会社ではサッカーだけでなく、英語や他の競技をイベントとして提供するなど、いろんな活動をしています。

鬼頭:その意図は?

柴原:セカンドキャリアの話につながるんですが、サッカーだけをやってきて引退した時に「この後どうしよう」と悩む選手がやっぱり多いんです。

引退した後の人生の方が長いので、その後の打ち手はたくさんあった方がいい。人生を豊かにするためには、サッカーだけやっていては駄目なので、そういう意味でもいろんなものに触れさせたいという思いがあります。

卒業生の進路は?

鬼頭:ガウーショのスタイルは?

柴原:僕らのチームはサッカースタイルがないんですよ。なぜかと言うと、どんなことでもできる選手にならないといけないからです。中学や高校、大学、プロに行った時に監督が変わる。その時に「そのプレーはできませんが、このプレーはできます」では、使ってもらえなくなってしまう。

選択肢や打ち手をたくさん持てる選手を育成するために、基本的には止める、蹴る、運ぶというベースを徹底的に教えて、各選手の強みをつぶさないように伸ばしてあげるという育成をしています。

鬼頭:巷では「ガウーショはまだ3年なのに、どうしてこんなに勝っているのか」と見ていると思います。「VIP」の精神なんですかね。

柴原:もちろん、選手たちが頑張っているというのはあるんですが、僕ら自身が言えることとすれば、スタッフ全員「どんな状況でも常に学び続ける」ということを実行しています。

いろんな情報を精査し、選手たちに落とし込んでいくということを続けて、ちょっとずつアップデートしていけているのかなと思います。

鬼頭:もうすぐ卒業する6年生は、これからどういう進路を歩んでいくんですか。

柴原:今年の6年生は川崎フロンターレのジュニアユースに1人、鹿島アントラーズのジュニアユースに1人、JFAアカデミー福島に1人。あとは静岡学園に4人、桜が丘に2人、浜松開誠館に1人などです。

ヒデ:素晴らしい。

柴原:僕らの思いとしては、いろんなところに選手を送って楽しみたい。「この選手はここに行ったら伸びるんじゃないか」とか、たくさん親御さんと面談をして、選手のロードマップを作ってあげるのが、送り出す時の僕らの最後の仕事です。

この3年かけてアントラーズやフロンターレなどの県外のクラブとのパイプを作らせてもらいました。選手たちに「こういう選択肢があるよ」と世界を広げてあげて、あとはどうしたいのか選んでもらう。

自分で決めた道だったら、多分後悔がない。そういうのを増やしてあげるというのが僕らの仕事だと思っています。

「キャプテンシーを発揮できる人材を」

鬼頭:女子チームもあるんですか?

柴原:女子チームはないですが、女の子も今3人いて、募集もしています。

鬼頭:これからの大きな夢は? 

柴原:何年経っても強いクラブでいられるようなシステム作りをしたいです。あと、FCガウーショから育った選手がプロになったり、プロになれなくてもどこかの企業で活躍したり社長さんになったり。社会の中で“キャプテンシー”を発揮できる人材を育てていけたらと思っています。

主体性や自主性を持って、面白いことをどんどんやってくれるような大人に。どんな形であれ、人として輝ける人材というところを目標に置いています。

鬼頭:これからが楽しみですね。ガウーショ出身という子がどんどん増えていくと思います。まだ3年目ですから、足を止めずにずっと続けていってください。
シズサカ シズサカ

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サッカー大好き芸人、ペナルティ・ヒデと、サッカー中継のリポーターとしても活躍する鬼頭里枝の2人がお送りする番組。Jリーグから海外サッカー、ユース世代、障がい者サッカーなど幅広くスポットを当て、サッカーを通して静岡を盛り上げます。目指すは「サッカー王国静岡の復権」です!

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