小川選手はNPO法人「ReFrame(リフレーム)」の代表も務め、ジュビロ磐田CROの山田大記さんや藤枝MYFCの金子翔太選手とともに、子どもたちが自分らしくいられる社会の実現に向けて活動しています。番組パーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さんがオンラインで話を聞きました(2025年7月1日放送)

(ヒデ)小川選手はNPO法人の発起人ということですよね。
(小川)はい。大学の先輩でジュビロ磐田CROの山田大記と2人で立ち上げました。最初は別々に活動していて、僕は2016年頃、小児病棟を訪問してサンタさんになってクリスマスプレゼントを配る活動をしていました。山田は児童養護施設を訪問して子どもたちと交流していました。
山田と僕は大学の先輩後輩ということもあったので、互いの活動を知って「せっかくなら一緒にやろうよ」と。
当初は子どもたちに会いに行って、喜んでもらえたらいいかなと思ってたんですけど、活動していく中で子どもたちを取り巻く環境についてさまざまな課題が見つかりました。いろんな支援をしたくて、しっかりとした団体を作った方がいいんじゃないかということで前身の一般社団法人を立ち上げてから、今のNPO法人の形になりました。
(ヒデ)サッカー選手の縦横のつながりもありますしね。個人よりもワンチームとしてやった方がいいと?
(小川)まさしくその通りです。団体を立ち上げる前は細々とやってたんですけど、活動が少しずつ広がっていって地域の企業さんの「一緒にやりたい」という声が少しずつ増えていきました。
(ヒデ)やっぱり旗を振るってことは大事。ちなみにどんな活動をしているんですか。
(小川)現在は子ども食堂を中心に活動しています。ジュビロの試合の時に食事や衣類、日用品を集めて困窮家庭に配ったり、体験機会を提供したり、さまざまな活動を行っています。
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ジュビロ磐田時代の小川選手=2018年5月
(ヒデ)知れば知るほど、やればやるほど、課題や困っている子どもたちや親御さんがたくさんいるんだなって気付かされるものなんですか。
(小川)活動をして足を運んで交流をしていくうちに、もっともっとやらなきゃいけないことはたくさんあるんだなっていうのを感じましたね。
(ヒデ)環境だけでその子の人生やスタートラインが変わってしまうのはやっぱり寂しいですもんね。
(小川)誰もがいろんなことにチャレンジやトライができる社会であってほしいなと思います。今は静岡県西部中心で活動してますが、一つのロールモデルができれば、Jリーグ通じて日本中に広がっていったらいいなと思ってます。
(鬼頭)金子翔太選手(藤枝MYFC)もジュビロ時代に賛同した選手の1人なんですか。
(小川)ジュビロ時代に「僕たちはこういう活動やってるんでちょっと協力してくれない?」っていう話をしたら、「ぜひ」っていう形でイベントに来てくれて。それから「僕も何かお手伝いできることがあればやらせてください」って。
「僕はここにいるからあきらめた」
(ヒデ)日々トレーニングと試合をやりながら、この活動も続けている。ハードだけど、やっぱり自分の励みにもなっているのでしょうね。(小川)すごく励みになってます。サッカー教室が開かれると、選手たちはよく「エネルギーがもらえたよ」っていう話をすると思うんですけど、まさにその通り。活動の根源になってるのかなと思います。それぞれの子どもたちの生活や環境に変化が見えた時にすごく嬉しいなと思います。
(ヒデ)子どもたちは「自分もサッカー選手になりたい」って絶対思うでしょうね。
(小川)やっぱり夢を持ってもらいたいなと思います。ある施設を訪問した時にサッカーがうまい子がいたので「将来はサッカー選手になるの?」って聞いたら「いや、僕はここにいるからあきらめた」って。この言葉が団体を立ち上げるきっかけになりました。山田と一緒にこの言葉を聞いた時は返す言葉がありませんでした。
(ヒデ)胸が締め付けられます。
(小川)活動を通して、そういった子がポジティブになれるように変化を起こせると思っています。
(ヒデ)「チャレンジしたい」という子にチャンスを届けてあげたいですよね。
(小川)誰でも、どこにいても、どんな環境でもチャレンジしていいんだよ、夢を持つのは自由だよってことをまずは伝えたいです。
(ヒデ)僕はチャンス、チェンジ、チョイス、チャレンジとかを合わせた「4C」という言葉が好きです。チャンスがあればチャレンジもチェンジもできる。可能性は無限にあるのだから、「1択しかない」と思わないでほしい。もっともっとこの輪が広がってほしいですね。サッカー選手というだけで発信力がやっぱり違うからね。
誰もが分け隔てなく過ごせる居場所づくりを

(鬼頭)NPO法人になって1年。この活動を通じて、これから成し遂げたいことは?
(小川)将来的には、困窮家庭や様々な困難を抱える子どもたちを取り巻く課題を解決できるような居場所づくりをしたいと思っています。僕たちは「リフレームパーク」と呼んでるんですが、どんな子どもたちもそこに来て、分け隔てなく同じ時間を過ごせるような場所を作りたいなと思っています。
(ヒデ)活動に参加したい人はどうすればいいですか?
(小川)僕たちの公式ホームページがあります。将来的にはボランティアの方を広く募集していくことができればと思っているので、ぜひSNSを含めてチェックしていただければと思います。
(ヒデ)最後にリスナーの皆さんにメッセージを。
(小川)子どもたちを取り巻く課題は日本中にあると思います。1人で何かを変えるのは難しいと思いますが、1人1人の思いやアクションがつながれば、もっともっと子どもたちにとってよりよい社会を作ることができるかなと思っています。心の隅でいいので、僕たちのことを覚えていただけたらと思います。