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静岡新聞教育文化部

【県立美術館の「大大名(スーパースター)の名宝」展】 ニーズに敏感な絵師たち

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、12月10日まで、静岡市駿河区の県立美術館で開催中の「大大名(スーパースター)の名宝―永青文庫×静岡県美の狩野派展」。

室町時代発祥の絵師集団「狩野派」の研究で知られる県立美術館と、同派の傑作を多数所蔵する永青文庫(東京)が「夢のコラボ」。徳川家康の五女市姫の「雛屏風」(狩野光信周辺)と、「胡蝶船遊之図」(狩野養信)の対比が興味深い。題材は同じ源氏物語「胡蝶」。雛屏風は鳥や蝶の羽根を背負った童子たちを強調し、養信は竜頭鷁首の船や松や桜を鮮やかに描写して広々とした庭園を印象付ける。ニーズに敏感な絵師の姿がうかがえる。 (は)

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