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静岡新聞教育文化部

【たきいとやまだの会vol.1】 動悸がおさまらない

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は6月9~11日に静岡市葵区の登録有形文化財「鈴木邸」で行われた「たきいとやまだの会」vol.1。谷崎潤一郎原作、たきいみきさん出演、山田裕幸さん構成・演出、島崎敦史さん音楽、前澤妙子さん絵。

古民家の奥座敷でとんでもないものを見た、という印象。終演後、しばらく動悸が続いた。秘儀に参加させられているような「居心地の悪さ」と、たきいさんの掌の上で遊ばされているような心地よさが同時に押し寄せる。べらんめえな刺青師を舌なめずりで演じながら、その目がロックオンする女の肉体も自分で表現するという、二律背反的なたきいさんの演技。こんな事が成立しうるのか。クライマックスの主従逆転は、影絵的演出が見事。

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

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