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バズった「梅干し倉庫はパンク」ツイートの真相とは

和歌山県日高郡みなべ町にある梅干しの製造問屋 梅樹園の代表取締役 生田富哉さんに「鉄崎幹人のWASABI」パーソナリティの鉄崎幹人、SBSアナウンサーの堀葵衣がお話をうかがいました。
※1月17日にSBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」で放送したものを編集しています。
 

梅干し業界を盛り上げたい若者の思いが反響を呼び…

鉄崎:今回は梅干しの話題について、生田さんの営んでいる梅樹園の公式ツイッター(@Baijuen_Umebosi)が物凄くバズって番組スタッフの目に留まり、ご出演をお願いしました。どんな内容だったのか堀ちゃんそのツイートを読んでください。

堀:(ツイートを読む)梅干しの現実。皆さん、現在梅干し業界がどのような状況かご存じでしょうか。令和元年から令和3年の梅干しの年間消費量は、1世帯当たり約663gです。多くの方が663gと聞いてもピンとこないと思うので、もう少し分かりやすく説明すると、弊社の梅干し倉庫はパンクしており、梅農家さんが作った梅干しの多くは行き場のない状態です。またこの状態が続くようであれば、弊社も含め多くの梅干し屋さんが廃業することになります。

こちらは一部ですが、このツイートが表示された回数が1,074万回、およそ2万6,000件のリツイート、6万2,000件のいいねが寄せられています。※番組放送時

鉄崎:このツイートにこれだけの反響がありましたが、率直にお気持ちはいかがでしょうか。

生田:たくさんの応援コメントや「久しぶりに梅を食べます」という声をいただき、正直こんなに梅のことについて日本中で考えてもらえる日が来るとは思っていなくてびっくりしました。

減少傾向にある梅干しの消費量


堀:梅樹園がある和歌山県日高郡みなべ町は梅干しの産地として有名ですが、ここで改めて梅樹園と和歌山の梅干しについて教えてください。

生田:梅樹園は100年以上前に小さな梅農家からスタートしました。今はみなべ町の特産品である紀州南高梅やその他の梅干し製品の加工業を専門にやっています。南高梅は60年くらい前にみなべ町で生まれ、肉厚で皮が薄く一躍全国のトップブランドとなっています。

鉄崎:梅干しと言えば紀州!日本を代表する梅干しの産地にある梅樹園をはじめ、梅干し屋さん業界がおかれている現状について教えてください。

生田:今ニュースになっているような梅の消費減少は確実に続いています。3年前の大凶作で平年の約50%しか収穫できず、価格の高騰と供給減で市場が縮小。一昨年、昨年と豊作が続き、市場拡大が追いついていないという状況が梅干しの在庫が多い問題の背景にあります。

鉄崎:そもそも、全体的に梅干しの消費量は減っているのですか。

生田:総務省のデータにもありますが、20年前が梅干しの消費量のピーク。今は大体1世帯あたり、約40%減になっています。

鉄崎:僕は、冷蔵庫に2種類の梅干しを入れています。甘いはちみつ梅はご飯用に、ちょっと酸っぱい梅は梅焼酎を飲むとき用にと分けていますが、やはりご飯をあまり食べなくなったというのは大きいですか。

生田:やはり米離れもひとつの食の変化としては大きいですね。あとは核家族化が進んでいるため、おばあちゃんが食べるから冷蔵庫に必ず梅干しがあるという日常が薄れつつあるんです。

鉄崎:おばあちゃんが好きだからあったけど、若い世代はわざわざ自分で買わないという人が多いということか。なるほどなぁ。

地産地消で地元を元気に

堀:ちなみにこのツイートをしたきっかけや思いはどういったところにあったんですか。

生田:当社のツイッター担当者の青年が、新年の抱負で自身に言い聞かせるような意味合いで、メッセージ性を強くして自己啓発のように投稿しました。その内容の鋭い部分が切り取られ、拡散してしまいました。ただ彼の気持ちの中では、梅離れに対する強い危機感と梅産業全体を盛り上げていきたいという強い気持ちがあると思います。

鉄崎:周りの同業者の方や地元の方の反応はいかがでしたか。

生田:基本的には励ましの声が多かったです。ただ切り取られ方で”梅離れ”や”梅屋廃業”という言葉が独り歩きしてしまった面もあるので、中には産地の農家さんが悲観してしまわないか心配される同業者の方もいました。

堀:梅干しの消費量が徐々に減ってしまっているという点やこの状況を抜け出すためにはどうすればいいとお考えでしょうか。

生田:食の多様化により各業界同じようなことが起こっているかと思います。しかしSNSを通して業界の垣根を超えて、皆で日本の食文化をつなげ、盛り上げていけるのではないかと思っています。今回のことは、みんなに地域や日本の伝統的な食文化を見直すきっかけになってもらえればと思います。

鉄崎:これは梅干しだけの問題だけでなく、食生活の問題、農業の在り方、核家族化も関係しているので実に大きな問題ですね。

堀:最後に静岡のリスナーにメッセージをお願いします。

生田:梅は美味しくて、健康に良いスーパーフードなのでぜひ普段の日常の食生活に取り入れてください。静岡の特産品、地元の食材、しばらく食べていないものを、みなさんの食卓にのせていただければ嬉しいです。

鉄崎:生田さんありがとうございました。気になった方はぜひ「梅樹園」で検索してみてください。
今回お話をうかがったのは……生田富哉さん
梅樹園代表取締役、大学卒業後4年間世界放浪の旅に、西アフリカの山奥の村で長老に「自分の根っこを大切にしなさい」と抱きしめられ故郷に帰る。家業の梅干し屋を継ぎ梅農業への取り組みや土着の伝統文化に積極的関わり地域貢献に奮闘中。現在、志あるメンバーと共に梅の魅力を世界中に届ける「梅ノカオリハ何処マデモpjt」を始動中!

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