2023年に開始! 最近よく耳にする「インボイス制度」とは

2023年10月から始まる「インボイス制度」について、All About「初心者のための相続税・税金」ガイドの坂口猛さんに、SBSアナウンサーの原口大輝がうかがいました。
※11月25日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

インボイス制度とは

原口:そもそも「インボイス」という言葉がよくわからないのですが、教えていただけますか?

坂口:インボイス制度の「インボイス」ですが、正式には「適格請求書」と言います。具体的には、会社などが国に納める消費税額を計算する際に必要となる書類で、必要な情報が記載された請求書や領収書などのことです。

原口:最近CMなどでも「インボイス制度」という言葉を見かけるのですが、どんな制度なのでしょうか?

坂口:例えば、私たち消費者がお店などで支払った消費税は、お店などの事業者が、私たちの代わりに国に納めるルールになっています。その事業者が国に納める消費税額は、私たちから預かった売上にかかる消費税額から事業者が仕入先などに支払った消費税額を差し引いて、国に納める消費税額を計算する仕組みになっています。その仕組みを「仕入税額控除」というのですが、仕入先などに支払った消費税額を差し引くために「インボイス」という書類が必要になります。つまり、インボイスがないと国に納める消費税額が増えてしまう、ということになります。

対象者は?

原口:どのような方が対象になりますか?

坂口:一般的には、消費税を納める事業者の方々やその方々と取引をされる事業者の方に影響する制度になります。

原口:自営業の方や個人事業主の方ということですね。では、私たちのような会社員は関係はないのでしょうか?

坂口:一般的には関係ありませんが、例えば会社の経費で接待を行った際に、この「インボイス」をお店からもらってくるように会社の経理担当から言われる場面が想定されます。また、副業で事業をされている方にも影響があると思います。

特長と問題点

原口:改めて「インボイス制度」の特長を教えてください。

坂口:税務署に登録をした消費税を納めている事業者のみ「インボイス」を発行できるというルールになっています。また売上規模が小さい事業者は、預かった消費税を国に納めなくていい「免税事業者」制度があります。その制度を利用している免税事業者は「インボイス」を発行できないため、売上先から取引を敬遠される恐れがあると懸念されています。

原口:問題点もあるとのことですが、今後改正や修正はされるのですか?

坂口:日々、国の方で検討していますが、毎年12月の税制改正大綱にて改正案が公表されます。

制度開始に向けての備え

原口:「インボイス制度」に向け、備えておいた方がいいことはありますか?

坂口:免税事業者の方は、インボイスを発行するために税務署に登録をして消費税を納めるのか、免税事業者のままでいいのか選択を迫られると思います。ですので、しっかりと情報収集し理解を深めるといいと思います。

原口:言葉だけが宙に浮いていたので、インボイス制度がどういうものか理解できました。ありがとうございました。
今回、お話をうかがったのは……坂口猛さん
All About「初心者のための相続税・税金」ガイド。税務署や税理士事務所、中小企業の役員や大手上場企業Grにおいて現場実務を30年以上経験し、キャッシュフローコーチ(R)&CFP(R)の『非常勤経理部長』として、広くお金に関する支援を行っている。

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