居酒屋だからこそのアイデアラーメン!「八っすんば」
大石:藤枝駅北口に来ました! 鈴木さん、こちらでおすすめのラーメン店を教えてください。鈴木:最初は、「ラーメンが食べられる居酒屋」だったのが、「お酒が飲めるラーメン店」になった二刀流のお店があるんです。
夜は居酒屋、昼間はラーメン店の「八っすんば」。藤枝のお店らしく、現在は朝ラーもやっています。

店主の杉浦さんは18才から和食の道に入り、17年前にこの居酒屋をオープンしました。ラーメン専門店ではないので、厨房も手狭、ゆで麺機など専用の機械はありません。杉浦さんは「ラーメンは仕込みが大変。営業時間より仕込み時間の方が長い」と言いますが、それでもこの店の味を求めて多くのお客さんがやってきます。
常連客からは「店主が勉強熱心だから、どんどん美味しくなってきている」、「全部のメニューが美味しいので、週一で通うお気に入りの店」などの声が上がります。
名古屋コーチン醤油
名古屋コーチン醤油 920円(税込)。地鶏の風味とうま味が詰まった一杯
和食の経験を生かした、豚清湯の酒粕みそバター

豚清湯の酒粕みそバター 920円(税込)
参月さんがいただくのは、材料に酒粕を使った和食の経験を生かした豚清湯の酒粕みそバター。大石:いい匂い、スープ美味しすぎ! みそバターは濃厚で、酒粕は思ったよりも強くなくて、香るくらい。
鈴木:和食のテイストで仕上げているから、ガツンというよりもすごくやさしい。
大石:お肉は豚の角煮ですか?
杉浦:豚足です。
大石:お箸でちぎれちゃうくらいトロトロ。プルプルで肌にもよさそう!
杉浦さんはラーメン好きが高じて、10年ほど前からラーメンの提供を始めました。「居酒屋で締めのラーメンを出せたら面白いんじゃないか」と思ったそうです。料理の延長でラーメンもできるだろうと思っていたのに、いざ作ってみたら麺とスープがバラバラの味に……。これは難しいことに手を出してしまったと思ったそう。
様々なラーメン店に通い、見よう見まねで作っては味の違いを比較するということを繰り返します。めん奏心の鈴木さんをはじめ、ラーメン店の店主の方々からアドバイスをもらったり、業者さんを紹介してもらったり。そんな甲斐あって、今では八っすんばならではの人気ラーメンも次々と誕生しています。
癒しの「和」テイストラーメン!
最近取り組んだ新たなラーメンというのが、鯛のアラを使ったもの。道を挟んで向かいにある海鮮料理の店 魚時会館から、料理に使った熟成鯛のアラの再活用としてのコラボを提案してもらったそう。鯛のアラをオーブンで焼き、うま味を閉じ込めてから出汁をとる。和食で培った経験をいかした新商品、真鯛出汁の潮らぁ麺の誕生です。
真鯛出汁の潮らぁ麺 950円(税込)
大石:お味噌汁みたいな出汁の匂いがします。のってるのは鯛ですか?杉浦:鯛のほぐし身です。
大石:すごーい!こんなの初めて!美味しい。
鈴木:ガツンとしたパワー系のラーメンとは違うカテゴリーなので癒されます。
大石:ここでしか食べられない味ですね。
鯛ご飯が小鉢でついているので、ラーメンのスープをかけてどうぞ。梅とわさびでさっぱりした味わいが楽しめます。鈴木さん!食べるのが早い!これは間違いないですね。
大石:ラーメン専門店の鈴木さんとしては、専門店以外の人が作るラーメンをどう見ていますか?
鈴木:ラーメン専門店で修業した人は、修業した店で教わった以外のことをするのが苦手な傾向にあるんです。でも他の分野の料理経験のある人は、ルールにとらわれず、発想が違う!
大石:まさにこの鯛のラーメンも和のテイストが生かされたラーメンですよね。これから店をどのようにしていきたいですか?
杉浦:現在は居酒屋とラーメンが五分五分くらいですが、いずれはラーメン専門店も構想しています。
新たな風を起こしてくれそうなラーメン店でした!
※ラーメン専門店として下記に移転オープンしました。(2022年5月26日 追記)
DATA
■麺屋八っすんば(はっすんば)
住所:藤枝市南新屋275–11
TEL:054-643-5501
営業時間:7:00〜14:30
定休日:水曜・第1第3木曜