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プロ棋士が教える将棋の魅力!大人にも子どもにもこんな効果が

近年改めて「将棋の魅力」が見直されているようにも思います。ズバリ将棋の魅力について、日本将棋連盟のプロ棋士で、棋士会の副会長も務めてらっしゃる遠山雄亮六段に、SBSアナウンサー牧野克彦がうかがいました。
※1月18日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

今また、将棋ファンが増えている?

牧野:最近は、初心者も対象にした上達法を伝える活動に力を入れていらっしゃるそうですね?

遠山:今、藤井さんが非常に活躍されていて、新しい将棋ファンが増えています。そういった人たちに、将棋をより身近に感じてもらおうと普及するための活動をしています。

牧野:遠山六段は、著書「ゼロからはじめる 大人のための将棋入門」や、オンライン講座「親子でゼロからはじめるスタディ将棋」を開催されていますが、大人でも始める人や、親子で始める人も増えていたりするのでしょうか?

遠山:大人ですと、藤井さんの影響で始める人もいますね。もともと将棋はお子さんには人気がありますし、お子さんにやらせてみたいという保護者の方もすごく増えています。

牧野:大人の場合、新たな気づきなどを求めてというところもあるのでしょうか?

遠山:実生活でじっくり考え込む機会って、実は多くないと思うんです。ですが将棋の場合は、ある程度考えながら進めなければいけないので、頭の体操としてやっていただくことも多いです。あとは歳をとっても、人生を通して楽しめる趣味として、始めていただくこともあります。

牧野:老後も長く楽しむことができますし、仕事にも活きる部分があると思います。将棋盤がない家もだいぶ増えていると思いますが、そういった人はどのように学ぶのがいいでしょうか?

遠山:将棋盤はあった方がいいですが、今は将棋のアプリがすごく発達していて、いろいろなことできるんです。例えば「ぴよ将棋」というアプリがあります。AIのひよこと将棋を指すのですが、どんなときでも相手をしてくれるので、AIと指しながら上達していくやり方もあります。

牧野:AIが連動しているから、よりいい手が分かりやすいんですかね。

遠山:初心者の人でも、4、5段の有段者でも、AIが強くなっているので十分楽しめますよ。

強くなるためのコツは?

牧野:その他にも、強くなるためのコツがあれば教えて下さい。

遠山:私の著書を読んでいただくということもありますが(笑)、いろんな定跡を覚えることも大事だと思います。大人の方が将棋を始めようとしても、「頭が固いから覚えられない」と言われたりしますが、決してそんなことはありません! 将棋はある程度ロジック、理屈のゲームでもあるので、大人の方が上達するスピードは早いんです。なので、理屈をしっかり覚えていくのがいいかなと思います。

牧野:私たちがゲームで将棋を指す場合は、相手の王をとったら終わりですが、本格的に将棋を指す場合は「感想戦」というものがあるそうですね?

遠山:はい、人同士で対戦すると、終わったあとに自分のこの手がよかったとか悪かったとか、相手の手にどういう狙いがあったかなどを、お互いに話し合うということが将棋にはあります。例えば、野球などで対戦したあとで相手と、あの球はよかったなど話しませんが、将棋はそこがちょっと違うところです。

将棋は一回、投了といって自分で負けを認めるんです。負けを認めたあとは、次の対局に向けて勉強していきます。なので、感想戦は次に向けた勉強のために、今やった対局を振り返る作業になるんです。これは、将棋独特のものだと思います。

牧野:手の内を明かすようで、プロでも嫌がる人もいるんじゃないんですか?

遠山:手の内を明かさない程度でやるわけですが(笑)、プロであっても上達したい気持ちは強いので、感想戦はすごく大事なものなんです。

教育面でのメリット

牧野:負けを認める部分も含めて、礼節の部分でも子どもたちにとっても、いい要素がたくさんありそうですね。

遠山:将棋はゲームではありますが、日本の伝統文化でもあるので、あいさつや負けを認めることは、大人にはもちろん、お子さんにとっても非常にいいことかなと思います。

牧野:教育面での良さは、最近また改めて見直されているんじゃないですか?

遠山:そうですね。そういう観点から保護者の方が、お子さんに将棋を教えたいといわれることもあります。ひとつはやはり、集中力がつくということ。保護者の方から「こんなにちゃんと集中できてる時間が長いのはめずらしい」とよくいわれます。夢中になってできるのは大事なことだと思うので、集中力がつくというのは効果としてもあると思います。

コミュニケーションツールとして

牧野:コミュニケーションツールとしてはいかがでしょう?

遠山:将棋はコミュニケーションツールのひとつでもあるので、親子で楽しんで、会話が増えればそれもいいことかと思います。お子さんが、父親と何かの勝負をして勝つというのは普通難しいですが、将棋の場合、体力は一切関係ないので、上達すればお父さんにも勝てます! そういったことがお子さんの自信になったりもします。

昨今、教育の場では勝ち負けをつけない世の中になってきていますが、やはり負ける経験もすごく大事だと思います。例えば、おじいちゃんがお孫さんとやって、お孫さんが負けたら「おじいちゃんすごいな」と思うでしょうし、「負けたけど、次はがんばろう」と思うことが大事だと思います。そういった点でもコミュニケーションツールとして、親子で指していただきたいです。

遠山六段が将棋を始めたきっかけ

牧野:遠山六段が将棋を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

遠山:小さいころのことであまり覚えていないのですが、3歳の終わりくらいに急に将棋をやりたいと言い出し、親にねだって本を買ってもらい覚えたと聞いています。

牧野:そこからプロ棋士を目指す道のりはどういったものですか?

遠山:だんだん上達していき、子どもの大会に出るようになりました。そこで強い子と友だちなりまして。みんな上達するとプロを目指すようになるので、そういう流れで自分も目指すようになったんです。

上手になってきたら大会へ!

牧野:やってみて上手くなってきたら、大会に出てみるのもひとつでしょうか?

遠山:子どもなら小学校以外の友だちができたりするし、大人も職場以外の友人ができるかもしれません。

牧野:どれくらいやったら大会に出ていいものなんですか?

遠山:ある程度、アプリのAIに勝てるようになってきたらいいかなと! 大会にもいろんなレベルがあるので、初心者でも歓迎の大会を探してもらえれば。あとは地域によって支部といって、将棋をやる社会人サークルがあるので、まずは連絡してみてください。そこで一度指してみて、大会に出られるレベルかどうか見てもらうのもいいかと思います。

牧野:まず始めようという人は、遠山六段の「ゼロからはじめる 大人のための将棋入門」を読んで始めていただければ! 最後に、将棋をやってみようという人にメッセージをお願いします!

遠山:将棋は最強のコミュニケーションツールなので、大人からお子さんまで、ぜひ将棋の輪を広げていただければと思います。
 
今回お話をうかがったのは……遠山雄亮六段
1979年東京都生まれ。将棋のプロ棋士。棋士会副会長。2005年、四段(プロ入り)。2021年に竜王戦で2組昇級を果たすなど、現役のプロ棋士として活躍中。Yahoo!ニュースや文春オンラインで将棋の記事を連載している。著書に「大人のための将棋入門」「将棋・ひと目の歩の手筋」「将棋・ひと目の詰み」がある。

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