
今回のテーマは離婚後の「親権」です。
2026年4月、親権に関する制度が大きく変わりました。これまでの父親と母親、どちらかが親権をもつ「単独親権」に加えて、父親と母親がともに親権をもつ「共同親権」が導入されました。
離婚後も、子ども養育に両親が責任を持って関われる一方で、当事者からは慎重な運用を求める声が上がっています。
DV被害女性の不安「家裁が状況を見極めるのは容易ではない」
1年前、夫の暴力から逃れるため、2人の子どもを連れて離婚した女性(50代)です。
<離婚した女性(50代)>
「戦わなければいけないっていう心理的なプレッシャーが、非常に恐怖感がありました」

2026年4月1日の改正民法の施行により、離婚の際、父と母が協議して単独親権か共同親権かを選択できるようになり、合意できない場合は家庭裁判所が最終判断します。
暴力や虐待の恐れがある場合は単独親権になりますが、家裁が家族の状況を見極めることは容易ではありません。
<離婚した女性(50代)>
「こちらは被害を受けた、向こうはやっていないっていう以上、あんまり突っ込んでもしょうがないですね、みたいな。家裁を通じて子どもの権利を守るっていうのは全くできないなって思いました」
共同親権で想定される対立「進学・医療・転居」
一方、共同親権を選択した場合、子どもに関して新たな対立が生まれる可能性もあります。
<新清水法律事務所 浅井裕貴弁護士>
「揉めやすい場面として想定されるのは、進学、医療、転居の3つ。父母両方で話し合って意思を統一しなければならないということが共同親権だと想定される」
同居している親が単独で決めることができることとは

共同親権を選択した場合、子どもについての決定で父と母の合意が必要になるのですね。
<坪内明美記者>
共同親権では、転居や進学など子どもに重大な影響を与える事柄について決めるときには、父と母が合意する必要があります。
一方、習い事やアルバイトなど「日常の行為」や、緊急の治療など「急迫の事情」=差し迫った事情がある場合には、同居している親が単独で決めることができます。
離婚協議中の女性の違和感「意思疎通が取れないから離婚している」
しかし、離婚に至った元夫婦同士がスムーズに意思決定できるのか、疑問を抱く声もあります。
離婚の協議中に、元夫から共同親権を提案されたという女性(30代)に話を聞きました。
<離婚した女性(30代)>
「夫婦でコミュニケーションがなかったり、その子どもと生活実態がない中で重要な決定だけすることにすごく違和感を感じる。もともと意思疎通が取れないから離婚しているわけですから。
距離を置いたからといって、そこが埋まるものでもないし、今後もそこを話し合ったからといって共通の認識であったり、考え方で一緒にできることはない」
今後、最も大事なことは、親権の選択によって子どもに不利益が及ばないようにすることです。
<東京都立大学 木村草太教授(憲法学)>
「法律はできてからが勝負。できた法律をどう子どものために運用していくのかを考えていくと、同じ条文でも運用が変わってくる。仲の悪い父と母の対立や葛藤に子どもを巻き込まないことを最優先にしよう。不仲な父母については、共同親権にしないんだという運用を定着させていくことが重要」
「子どもの利益」どう見極めていくか
<坪内記者>
2023年の離婚の件数は18万4000組ほどで、そのうち、未成年の子どもがいる夫婦は約9万4000組でした。
それぞれの家庭によって事情や状況は異なります。

一方、子どもの立場からすると離婚しても父と母は変わらないため、進路選択などの重要な場面で双方の視点からより慎重に判断できることや、親としての責任が明確になり養育費の滞納などが減り、子どもが経済的に支えられることも期待されます。
今後は親権について父と母の意見が分かれた場合に、家裁が子どもの利益という視点でどう見極めていくかが大きな焦点になります。










































































