
「こちらの洋書のような表紙をめくると、紙が立体的になっています。山田さん、これは何ですか」
<大日三協 山田智稚さん>
「本の形をした紙製の花瓶です」
<井手キャスター>
「花瓶ですか?」
今回のしずおか産は、紙製の花瓶「Flowery Tale」です。制作したのは、静岡市でメモ用紙や付箋などノベルティ向けの紙加工商品を企画、製造、販売している紙の総合商社「大日三協」です。
2025年5月、世界三大デザイン賞の一つといわれる「Red Dot Award」でProduct Design賞を受賞しました。
<井手キャスター>
「この度は世界的な賞の受賞、おめでとうございます。目をひく、見た目が印象的なんですけど、この本のどこに花を生けるのですか」
<山田さん>
「ありがとうございます。開くとここに隙間ができます。付属の試験官とストッパーを使って。隙間に試験官を通すことで、水を入れ生花を生ける事ができます」
<井手キャスター>
「なるほど。すごいアイデア」
<山田さん>
「どうぞ、お好きなお花を選んでいただいて」
<井手キャスター>
「好きなピンクの花」
<山田さん>
「そのままさして、一輪でも趣があるんでけれども、葉っぱをさらに添えると、ちょっと豪華に見えます」
<井手キャスター>
「あら、山田さんの美的センス感じますね。おしゃれ~、一気に部屋がパッと明るくなりますよね」
紙を一枚一枚、型通りに裁断する独自の「紙ぞろえ」の技術が生かされています。紙が揃っていないと花瓶のシルエットは出来ません。また、撥水加工された紙を使っているので濡れても大丈夫です。
<山田さん>
「『フラワリーテイル』という名前は『フェアリーテイル、おとぎ話』という意味とフラワーをかけた造語になるんですが、おとぎ話のようにページをめくって楽しんでいただきたい」
<井手キャスター>
「童心にかえるみたいな体験にもなりそうですね」
<山田さん>
「日常の中でほっと一息つきたい時や、大切な人に大事な思いを伝えたい時にぜひ使っていただきたい」
制作したきっかけは、近頃のペーパーレス化の中、紙の可能性を考え、海外も視野に入れたインテリア商品にも挑戦したい、という思いからでした。
そこで2019年、製造業と全国のデザイナーをマッチングさせる事業「つなぐデザインしずおか」に応募しました。
<山田さん>
「自分たちの思いをデザイナーに伝えた」
フラワリーテイルを手掛けたのは、イギリスの大学でプロダクトデザインを学んだ宮内秀明さんです。
<デザイナー 宮内秀明さん>
「(大日三協は)メモを製造するエキスパートで、天糊加工、メモをはがす糊の部分、糊の素材や加工方法にも定評があるので、天糊加工の技術を活用したいと思いました。ブロックメモをいじっている中で、広げて形になるという所からインテリア製品として花瓶はどうかとできたら面白いかなと思いまして。製品を手にした方、目にした方驚きや喜びなどそこに生まれる新鮮な心地よさや空気感を楽しんでいただきたい」
2020年の発売以降、ギフトとして需要を開拓。国内外で約1万3千個を売り上げています。
<山田さん>
「海外のバイヤーとつながりをもって、特に富士山の伏流水で静岡の紙業は発展してきたと聞いたことがありますので、そのお膝元のまちでこういった商品を作っているという事を静岡を含めてアピールできたら」
この花瓶は、冊子の中に3種類のデザインが現れ、本体の上下を反転させれば、6パターンが楽しめます。価格は3300円(税込み)で、オンラインなどで購入できます。
・住所:静岡市葵区流通センター12-10
・電話:054-263-2435
・「FloweryTale」3300円(税込)