「水やりいらない」枯れない苔テラリウムが人気! 80歳店主が洋品店との“二刀流”で営む「苔工房」 =静岡・菊川市【しずおか産】

秋の始まりを感じさせてくれる空間に...。

まるでおとぎ話の世界を閉じ込めたようなメルヘンな情景。
近年、インテリアとして注目されている「苔テラリウム」。
しかし、この苔テラリウムにはある“加工”が施されています。

<苔工房アイモス 小林三枝子さん>
「お手入れが不要、水やりもいらない」

今回のしずおか産は、枯れない苔テラリウム「さとリウム」です。
販売しているのは、静岡県菊川市にある一軒の洋品店。

<植田麻瑚記者>
「店の中に入りますと、もちろん婦人ものの洋服がたくさん販売されているんですが、店の半分を苔テラリウムが占めています」

店主の小林功武さん(80)。
15年前、妻の三枝子さんとともに趣味として始めたのがきっかけでした。

<苔工房アイモス 小林功武代表>
Q.もともとは洋服屋?
「そうですね。何だか知らないけど趣味を転じて渓流釣りとかをやるので、そこに苔があることが分かって。やり始めてみたら面白くなっちゃって」

10年前、洋品店の一角に「苔工房アイモス」を併設。今では、店の半分を苔テラリウムが占める中、小林さんは、ある課題に直面しました。

<功武さん>
「水やりをやっている人に枯れちゃったという話があったのをヒントに、枯れないようにするにはどうしたらいいかということで、苔を染めた」

『忙しい毎日でも、気軽に緑を楽しんでほしい』。
そう考えた小林さんは、生花を長期間楽しめる「プリザーブド加工」を応用。
手入れも水やりもいらない苔テラリウム、「さとリウム」を生み出しました。

<功武さん>
「種からうちはやっているから、3年ぐらいかかります」

季節や天候によって状態が異なる苔。
その時々でベストなものを厳選して販売しています。

「(これは)コウヤノマンネンゴケ。440円くらい、1本で。これはなかなか貴重です。これを店に持っていって、きれいに洗って、ちょっと乾燥した状態で、染料に入れて3日ぐらい置いて赤色に染める」

小林さんの「さとリウム」は菊川市のふるさと納税の返礼品に採用されました。
さらに、店内のほか、各地でワークショップも開催しています。

<三枝子さん>
「色合いが出せるので四季折々のイメージで楽しくできますよ」

自分好みの色の苔やストーンを選びさまざまなレイアウトを楽しむことができます。
アドバイスをもらいながら約40分。
世界に1つだけの「さとリウム」が完成しました。

<植田記者>
「色がついている苔なので、秋らしさをより感じますね」

<三枝子さん>
「春夏秋冬、いろいろなイメージが楽しめますので、時が止まったような優しい雰囲気を感じられるでしょ」

<功武さん>
Q.作っているときは楽しいですか?
「楽しいですね。何も考えなくていい、自分流でいいからね。皆さんに喜んでもらえるのが私も一番のうれしさですよね」

小さな容器の中に広がる癒しの空間「さとリウム」。
そこには、苔の奥深さと苔を愛する夫婦の思いが詰まっています。

小林さん夫婦はさとリウムについて、「一番いい状態の苔を染めているのでみずみずしさと柔らかさが持続する」として、育てて楽しむ通常の苔テラリウムと合わせて楽しんでほしいと話していました。

洋品店と同様に、今後も「二刀流」で頑張っていくということです。

【店舗情報】
・苔工房アイモス
・住所:静岡県菊川市半済1763
・電話:053-736-3334
・営業時間:10時~18時
・水曜定休

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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