
大好きな静岡のみかんをゼリーにして宇宙に届けたいと、静岡市の中学生が宇宙食作りに挑戦しています。取り組んでから5年、ついにこの夏「静岡みかんゼリー」が完成しました。
8月27日、JA静岡経済連を訪ねたのは宇宙日本食作りに挑戦している静岡市の中学3年生、増田結桜さん。製品化された静岡みかんゼリーの完成を報告しました。
「これが努力の結晶なんですね」
宇宙に興味を持ったのは小学4年生の頃。塾で受けた宇宙の授業をきっかけに宇宙が大好きになった結桜さん。約300冊読んだ本の中の1冊に結桜さんの夢を決めるきっかけがありました。
<増田結桜さん>
「本を読んでいたらJAXAで宇宙食の仕事をしている人がインタビューに答えていてその女性がかっこいいと思ってそういう仕事につきたいと思った」
その夢に向かって、小学5年生の自由研究から大好きな静岡のみかんを使ったゼリーの宇宙食作りに挑戦。宇宙日本食とはJAXAが認証する日本人宇宙飛行士に向けた宇宙食。現在は52品目が認証されています。
研究を重ねたのが、ゼリーの固さ、凝固剤の量です。精密機器に囲まれた宇宙ステーションの中ではゼリーが飛び散らないようにしなくてはなりません。5年間試作を繰り返し、味が決まりました。
<増田さん>
Q. 一番の危機はなんでしたか?
「製造して下さる企業さんが見つからない。一番大変、試練だった。ゼリーを充填する機械がなかったりして断られてしまったりとかもあった」
そこで結桜さんは1通の手紙を出しました。出した先は宮城県にある会社です。東日本大震災の時に、防災食として常温保存が長くできるゼリーがあったらと作られました。防災食と宇宙食は衛生基準が似ているため、既にこの会社のぶどうゼリーは宇宙日本食として認証を受けています。結桜さんの夢をかなえるお手伝いができるのならと製造を引き受けました。
そしてこの夏、静岡みかんゼリーが完成しました。原料となる温州みかんジュースを提供してくれたのはJA静岡経済連です。
「静岡県産のものを使っていただいて宇宙にと本当に誇らしいですね」
私も特別に試飲させてもらいました。
<増田さん>
「宇宙空間だと頭に血が上って鼻が詰まるといわれている、鼻をつまんでいい感じの味になるようにしてあります」
「鼻をつまんでいただきます。すごく鼻をつまんでも、濃厚な味を感じますね、適度な甘みと酸味があってみかんらしさがすごくあります」
<増田さん>
「みかんとオレンジの区別をつける、みかんの方が甘酸っぱさがあったりするので静岡のみかんだよ、と皆さんに伝えるようにしました」
<水野キャスター>
「今ここが地球でスタートして宇宙ステーションだとしたらいま5年かけて製品完成しましたが、結桜さん、いまどの辺にいるか指してもらってもいいですか?まだ飛び立っていないくらい?」
<増田さん>
「うまくいけば約2、3年くらい?私が宇宙が心から好き、宇宙食、静岡のみかんが好きというのが一番の原動力だと思います。より多くの方にこの味が届いたらいいなと思います」