「花火を見て幸せになってほしいなと思います」常に進化を...花火師のアツき心意気 創業73年『三遠煙火』3代目・小口浩史さん【しずアツ】

全国の花火大会で数々の賞を受賞している静岡県湖西市の三遠煙火の花火師、小口浩史さんに密着。その舞台裏にも迫りました。

7月26日に開かれた「ふくろい遠州の花火」。真剣な眼差しで見つめるのは、花火師の小口浩史さん45歳です。花火師になって20年。静岡県内のさまざまな花火大会を手掛けてきました。

創業73年の花火メーカー、静岡県湖西市にある三遠煙火です。

<三遠煙火 小口浩史さん>
「出来上がった火薬、色が出る『星』と『割り火薬』、花火を割る火薬があるんですけれども、それをこの花火の玉側に並べていって火薬を入れて合わせる。という玉込めという作業。ひとつひとつ手作りでやっていますね」

浩史さんは、三遠煙火の3代目。黙々と作業を進めていきます。十数人の従業員と年間約2万発の花火を作っています。

三遠煙火の花火は数々の大会で評価されています。昭和43年には、初代、小口昭三さんが考案した花火「マジック牡丹」が秋田県大曲の花火大会で優勝し、その名を全国に轟かせました。

<小口さん>
「当時はすごく斬新で、花火って色が見えると思うんですけど、マジック牡丹は色が見えなくて、急に色が現れる。本当にマジックのような花火ですね。幼い頃からずっと花火を見て育ってきたので、花火は皆さんに喜んでもらえる仕事ですし、自分で手に職を持つっていうことがいいなと思って花火を選びました」

浩史さんは、大学を卒業後、約2年間、長野県にある花火メーカーで修業。花火を作る過程を一つ一つ勉強したといいます。

<小口さん>
「修行先では丁寧に仕事をしろと言われました。そうすればおのずといい玉ができるので、製品にした時にそれが形になって現れちゃうので。安全もそうですし、培ってきた技術を劣化させてはいけないので、常に進化させていかなきゃいけないなとは思っています」

ふくろい遠州の花火、大会当日。打ち上げの2時間前、舞台裏を特別に見せてもらいました。

<小口さん>
Q.筒の中に火薬が詰まっている?
「筒の中に打ち上げ火薬があって、その上に花火の玉がある。今は全部線が張られているんですが、全部電気点火で制御していて。無事に上がってくれることが一番なので」

午後7時20分に打ち上がり始めた花火。そして、三遠煙火の花火も。小口さんもほっとした表情です。

<アナウンス>
「花火師の皆さん~ありがとうございます~!」

<杉本キャスター>
「花火師の皆さんに向かって明かりが!」

<小口さん>
「(うちの花火師も)振り返している。うれしいですね」

多くを語らず花火を見つめるその背中は誰よりもアツい花火への思いで溢れていました。

<小口さん>
「地域の方々のため、経済のため、いろいろな人のために自分の会社が存在しているので、それをどんどん目指して、いろんな人から信頼される、必要とされる会社にもっともっとしていきたい。花火を見てやっぱり幸せになってほしいなと思います」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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