「やりがいが感じられる体験でした」世界的オペラ歌手 三浦環さんを花火で表現 ゆかりの地で中学パソコン部の4人がプログラミングに挑む【現場から、】

大正から昭和にかけて世界を舞台に活躍した静岡県袋井市ゆかりのオペラ歌手、三浦環さんです。三浦さんの功績を幅広い世代に伝えようと、地元の中学生が花火で表現しました。

7月に開かれたふくろい遠州の花火大会。夜空を彩る2万5000発の花火を見守るのは、袋井中学校のパソコン部の生徒です。

<中学生>
「スターマイン早くね」
「すげぇ」

<イケブン 高橋美帆子副工場長>
「日本を驚かせるような花火を一緒に袋井から発信していきたい」

所属する4人は、袋井市制20周年の花火大会で、静岡県藤枝市の花火メーカーイケブンと協力し、地元ゆかりのオペラ歌手三浦環さんの花火をプログラミングしました。

大正から昭和にかけて活躍した三浦環さんは、オペラ「蝶々夫人」に2000回にわたり出演するなど、国際的なオペラ歌手として知られています。家族はいずれも、中東遠地域の出身で、夫の政太郎さんは、今も静岡県袋井市の墓で眠っています。

4人は環さんの功績や夫を亡くした際に歌った歌詞などを調べ、環さんの一生を花火の種類や色、タイミングなどで表現しました。

<袋井中学校 神村洸希さん>
「さまざまな方向に飛んでいく波長を使うことで、悲しい感情をイメージしています」

<高橋副工場長>
「これが消えきってしまうことでの三浦環さんの悲しみや行き場のない気持ちを四方八方に動いていく花火で表現する?」
<中学生>
「はい」

プログラミングには約40時間かかりました。

<神村さん>
「最初はこんな感じで、文字でどういう流れで、どれを使うって言うのだけを書いたんですけど、花火をこうやって見てみると意外と冠菊(=花火の種類)が長かったり、思ったよりも(光の長さが)続かない花火もあったので、これはよく調整して被りすぎず、間が空きすぎないという調整をするのが難しかった」

受け取った思いは、職人の手によって形になりました。

<高橋副工場長>
「一発勝負なので花火は。リハーサルがないという恐ろしさと楽しさと緊張感みたいなものがあるので、そういう気持ちを共有出来たらいいなと思う」

<神村さん>
「正直、前の2つが数も量も大きかったので見劣りしないか心配ですね。」

<袋井中学校 望月遥翔さん>
「ワクワクしますね」

<神村さん>
「他の花火と比べたら数や大きさは小さかったが、伝えられるもののなかでは一番良かったと思う」

<袋井中学校 山梨朔空さん>
「画面で見るよりきれいだった。自分のを見て感動した。人生で一度あるかないかなので、すごくやって良かった、やりがいが感じられる体験でした」

地元にゆかりのある偉人の功績を花火で伝える。4人の思いが夏の夜空を彩りました。

パソコン部の皆さんは、三浦環さんの功績や秘話だけでなく、打ちあがる花火の特徴や効果などを本やインターネットを使って調べあげたといいます。中学生の取り組みには、花火のプロである、イケブンの高橋さんも驚いたといいます。

約40万人が訪れた2025年のふくろい遠州の花火。中学生のひと夏の挑戦は、確実に多くの人の心に届いたと感じます。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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