
放課後等デイサービスを会場に、障害のある子どもでも楽しめる音楽イベントが開かれました。福祉の現場を知るDJの新しい挑戦です。
<大滝亮輔さん>
「じゃあ、きょうはたくさん汗かいて元気に踊りましょう」
フロアいっぱいに光るライトを振ってリズムにのる子どもたち。DJの大滝亮輔さん(37)は今回、初めて障害がある子どもでも楽しめる音楽イベントを開きました。
大滝さんは静岡市清水区の高齢者施設で介護福祉士として働いています。福祉に音楽を取り入れようと力を入れています。今回、音楽イベントを開いた静岡県富士宮市にある放課後等デイサービスです。自閉スペクトラム症やADHDなどの障害がある子どもたちが放課後や休日の時間を過ごしています。
<放課後等デイサービス「ひとつ。えがお。」新土裕己さん>
Qあんなさんはどういう特性?
「あんなさんは自閉症。音が嫌なのでイヤーマフをしているが、苦手な音質がある感じ」
<施設を運営する竹山順一さん>
「障害ってことだけで『障害があるからこれはできないよね』とか、経験をさせてもらえないというのはある。『あなたたち我慢できないでしょ、じゃあ向こう行っててね』と除外されてしまう社会だと思うので、そういうところで経験させてあげる」
放課後等デイサービスなどを運営する竹山さんは、障害の有無にかかわらず音楽を楽しんでほしいと開催を決めました。大滝さんは、特性のある子どもたちが楽しめるよう気を配ります。
<大滝さん>
「きょう映像も入るので、映像を投影するVJさんと相談して、あんまりチカチカさせすぎないように。影響が出たり、パニックになっちゃうかもしれないし、気分を悪くする人もいる可能性もあるので。クラブみたいに、ガシガシする感じではない」
会場には、地域の人や施設に通っていない子どもたちも集まりました。
<大滝さん>
「みなさんこんにちは。きょうはみんなでたくさん踊ろうと思います!元気ある人、手挙げて!」
音楽に合わせて、子どもたちは飛んだり跳ねたり、自由に動き始めました。大滝さんは特別な体験を用意しました。
「じゃあここでDJをやってみたい人!」
「はーい!」
「じゃあやってみようおいで!」
「盛り上がっていくよ!」
「せーの」
「1、2、3。盛り上がっていくわよ」
<参加した子ども>
「楽しすぎる」
Qどんな風に楽しい?
「こんな感じ」
子どもたちは、普段とは違う自己表現をして楽しみました。
<P.P.CORPORATION 竹山順一さん>
「発達障害とかじゃなくて、人として、最高な場になりました」
<大滝さん>
「元々、DJも人相手だし、なんかDJ自体が福祉なのかなって。DJが流す音楽で幸せになってくれたら、それはもう福祉なのかなって思っている」