「くだらなくてかっこいい」が合言葉 ユーモアを忘れない団体が伊豆の藻場再生へ 市民参加型アプリ開発や海中実験も【SDGs】

自然を愛する静岡県伊東市の団体が海から海藻がなくなる磯焼けに立ち向かっています。「くだらなくてカッコいい」を合言葉に自分たちのスタイルで豊かな海の復活を目指します。

「拾うぞー!イェーイ!」

伊東市のオレンジビーチです。この日、子どもと大人たちがビーチの清掃を行いました。

<参加した子ども>
「ごみを捨てないでほしい」

<参加した子ども>
「なんか海が、かわいそうな気がする。きれいな海になってほしい」

<サバソニ 武智一雄代表>
「これは釣りの漁具。釣りの糸とかが絡まっているのもあるので」

主催した武智一雄さんです。武智さんは伊東市に拠点を置く団体、サバーソニック&アジロックフェスティバルの代表を務めています。

通称・サバソニは、ばかばかしさとくだらなさをコンセプトに伊豆の地魚の魅力を発信するイベントを開いてきました。活動の中で海から海藻が消える「磯焼け」などの異変を目の当たりにし、近年は海を守るための活動を行っています。

<武智代表>
「ただ海が好きだよ、生き物が好きだよっていう連中の集まりなんですよね。だからそれに共感してくれて子どもたちがどんどん増えていて、面白そうだからやってみようっというのがスタートでいいんじゃないんですか」

サバソニがいま力を入れているのが藻場の再生です。海藻が集まる藻場は水質を浄化し、生き物の産卵場所にもなる大切な場所です。

<武智代表>
「小学生の頃は、あの離岸堤の周りとかは、(海藻が)すごくいっぱい生えていたし、このオレンジビーチ近辺だとほとんど生えてないですね、今は」

伊豆半島沿岸の藻場は海水温の上昇や魚による食害などにより激減しています。サバソニは藻場の再生に向けてアプリを作りました。

<サバソニ 加藤龍さん>
「こちらのアプリなんですけども、藻場が必要だよねというのと、スマートフォンのモバイルとかけて、『藻場要る』というウェブアプリを作っています」

『藻場要る』は海岸で見つけた海藻や海の変化などの情報を市民が投稿するアプリです。

<加藤さん>
「例えば、ここ海藻生えてるって感じでパシャっと写真を撮ってもらって、ここにボタンがあるのでそこから自動的にこんな形で情報が立つようになっています」

投稿された情報は、地図上で見ることができ、藻場の現状や海の健康状態を把握することができます。

<加藤さん>
「例えば将来、『海藻がこういう風にしたら増えるよ』みたいなのがわかった時に、『藻場要る』にある情報を使って、じゃあここでその実験してみようよみたいな、海藻を増やす一つのヒントになればと」

サバソニは5月、伊東市のオレンジビーチに藻場を作るプロジェクト「オレ藻場」をスタートさせました。地元の企業や漁協などの協力でサザエの殻などを混ぜた5種類のコンクリートを海中に設置し、どのコンクリートに海藻が付きやすいのかを実験しています。

<武智代表>
「やっぱ生き物がいっぱいいる海っていうのが最終的な目標ですね、豊かな海になればいい」

海と生き物を愛する気持ちが自然を守る取り組みの原動力になっています。

<記者>
「武智さんが伝えたい思いをダジャレで表現してください」

<武智代表>
「子どもたちと一緒に、『藻っと海を豊カニしていき鯛』です」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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