
田久保真紀市長の学歴詐称疑惑をめぐり、静岡県伊東市は混乱が続いています。「観光のまち」が夏の書き入れ時を迎えるなか、市長は公務の欠席が相次ぎ、波紋を呼んでいます。
7月13日、静岡県伊東市で開かれたビーチバレーボール大会です。
<伊東市バレーボール協会 杉山隆茂会長>
「皆さんおはようございます。マスコミ等で騒がれている伊東市へようこそ」
開会式では、田久保真紀市長があいさつをする予定でした。しかし、会場にその姿はありませんでした。
田久保市長は、伊東市議の2期目の途中で2025年5月の市長選に立候補。選挙戦では、建設費用42億円とされていた新しい図書館の建設中止を訴え、初当選しました。市長就任後、1週間以内に図書館の建設中止を正式に決定。伊東市の新たなリーダーとして動き始めた矢先、市議会議員全員に「市長の最終学歴東洋大学卒業は詐称である」という趣旨の投書が届きました。
<伊東市 杉本一彦市議会議員>
「市長確認させてください。東洋大学法学部経営法学科を卒業で間違いありませんね?」
<伊東市 田久保真紀市長>
「この件に関してましては、すべて代理人弁護士の方にお任せをしてございますので、私の方からの個人的な発言については控えさせていただきます」
市議会での答弁では明確な答えを避け、市議らに届いた投書を怪文書だと主張しました。
<田久保市長>
「卒業は確認ができませんでした。除籍であるということがその場では判明いたしました」
そして7月7日、辞職と再選挙への立候補を表明しました。市議会は百条委員会を設置するなど、伊東市政は混乱が続いています。
自身の問題を理由に「逃げ出すようなことはしたくない」と口にしていた田久保市長でしたが…
「位置に着いて、よーいどん!」
7月6日に行われた松川タライ乗り競走。伊東市の夏の観光の幕開けを告げるイベントとして市をあげて盛り上げるはずでしたが、田久保市長は現れませんでした。

田久保市長は対外公務を相次いで欠席。7月18日に出発予定だった姉妹都市イタリアリエティへの訪問も、市長ではなく、市の職員が代理を務めることになりました。
市民からは、疑問や怒りの声が聞かれます。
<伊東市民>
「公務をしっかりね、いろんな催しとか出なきゃいけないものを欠席するというのは、よくないと思います」
<伊東市民>
「責任というのは、まだ市長であるんだから、やはり責任のある仕事をきちんとしていただかないと」
<伊東市民>
「(市長は)税金でお給料をもらっているので、やっぱりきちんと公務をしてもらうというのは当たり前のことだと思いますけどね」
田久保市長に公務の欠席が続いていることについて尋ねると…
<田久保市長>
「私自体は、今はしっかり公務の方を取り組める体制になってきてはおりますけれども、あとは、いつまで自分が責任を負うのかというところもございますので、そこは慎重に支障をきたさないようにしていきたいと思います」
辞職は表明したものの、出直し選挙の日程は決まっておらず、当面は市長の業務を続ける田久保市長。市民が求める公務を遂行できるのかが問われています。
<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
田久保市長ですが、百条委員会から卒業証書などの提出を求められてから目立った動きはありますか?
<伊東支局 青島悠記者>
ここ数日は、決裁作業などで市役所には登庁していますが、百条委員会に書類を提出するのか、それとも表明通り検察に上申するのか、未だに明らかにしていません。
<水野キャスター>
百条委員会への書類の提出期限は、7月18日の午後4時とされていますね。
<青島記者>
仮に市長が書類を提出した場合、百条委員会は、速やかに調査を開始すると思われます。市長は、7月16日にSNSで「顔を上げて、しっかりと前を見据えて歩んで参ります」と投稿しました。
市長の今後の選択に注目が集まるなか、多くの市民は、1日も早い市政の正常化を願っています。