
学歴詐称疑惑を巡って7月2日記者会見を開き、大学から除籍になっていたことを明らかにした静岡県伊東市の田久保真紀市長は3日朝、市役所で市議会の正副議長と面会しました。正副議長によりますと、田久保市長は、百条委員会を開かないよう求めたということです。
「議会には説明しないんですか?」
<伊東市 田久保真紀市長>
「きょうは議長と副議長にお話しに参ります」
田久保市長は、5月の市長選で学歴を詐称したとの疑惑を巡り7月2日に記者会見を開き、大学から除籍になっていたことが判明したと、明らかにしました。
会見の模様が報道された2日、伊東市役所には、市長は辞めるべきなどの数百件の苦情電話が相次ぎ市役所の電話はパンク状態に。3日も鳴り続く電話の対応に追われていました。
会見から一夜明け、伊東市役所に登庁した田久保市長は、市議会の正副議長のもとを訪れ45分ほど面会しました。
<伊東市議会 中島弘道議長>
「百条委員会を開くのをやめてほしい、そういうようなことでした。また何を言っているのかこっちは分からなかったんだけど、議会は粛々とやるだけで、もしあなたがきょうにも辞めてくれるならば、こちらも百条(委員会)をやめられるかもしれないけれども、『私が辞めても(百条委員会を)やられるかもしれない』と信用されていないので、そういうことで話しは平行線で終わりました」
Q・百条委員会を開く開かないではなく、本来であれば、自分の責任ということだと思うが?
<伊東市議会 中島弘道議長>
「伊東市全体を考えてくれと。結局自分のことしか考えていないじゃないか。いま市政も停滞し、きのうも何百件という苦情の電話が市役所に来て、市職員に迷惑をかけて仕事も停滞している。伊東市もこんな変なことで有名になっちゃって恥ずかしい限りでございます。ただ、本当にもっと伊東市のことを考えて、あなたの身の処し方を考えてくれということを言いました」
Q・謝罪については何かありましたか?
<伊東市議会 中島弘道議長>
「謝罪は無いです。無かったよね?」
<伊東市議会 青木敬博副議長>
「無かった」
Q・例の“証書”は?
<伊東市議会 青木敬博副議長>
「持ってきてないですね」
田久保市長から謝罪の言葉は無く、市議会が百条委員会を開くのをやめてほしいという話で、平行線をたどったと説明する正副議長。
一方の田久保市長は取材に次のように話しました。
<伊東市 田久保真紀市長>
「百条委員会を開くか開かないかということについては議会の大事な決断ですので、私の方からやめてくれというようなお願いをしたということではなくて、今、百条委員会を開くことは伊東のためになるのか、これから忙しい夏を迎えますので、これからの伊東のためにならないんじゃないかというようなお話はお互いにさせていただきました。私の進退については、このような混乱を招きまして、ほんとに市民の皆様にご迷惑をおかけしてますので、真剣に今考えております。ただですね、今、本当に伊東市はこれから忙しい夏の時期を迎える中、議長さんからお話があったような、今日明日すぐに辞任をして、辞めてしまうということは市政に一層の混乱をもたらしますので、とにかく今は一生懸命“1票”を投じてくれた方の期待に応えて、しっかり日々の業務をこなして、まずこの今年の夏をきちんと乗り切りたい、そのように思っております」
伊東市議会は7月4日に「議会運営委員会」を開き、百条委員会の設置に関する議案を本会議の議題とするかを話し合うことにしていて、決定すれば6月議会の最終日の7月7日に採決が行われることになります。

