「盗撮を諦めさせる対策」卑劣な犯行を“鏡”で防げ 心理学や行動科学を活用 県警が静岡駅などで実証実験

後を絶たない盗撮被害。2024年、静岡県内では116件の被害が報告されています。県警はこの卑劣な犯罪被害をなくそうと、鏡を使った実証実験をスタートしました。

県警が6月から始めた盗撮被害を防ぐための実証実験。JR静岡駅などのエスカレーターに特殊な加工を施した鏡を取り付けています。

<社会部 野田栞里記者>
「鏡は、通常より広い範囲が映る様になっています。後ろの様子を、振り向かずに確認できます」

県警が実験を始めた背景には、被害の増加があります。静岡県内の盗撮被害は増加の一途をたどっています。盗撮を取り締まる県の「迷惑防止条例」に加え、2023年からは「性的姿態等撮影罪」も施行されたことから県内では、2年続けて100件を超える被害が確認されました。

また、2024年の被害件数のうち、26件はエスカレーターで起きました。そこで用いられたのが「鏡」。県警ではエスカレーター利用者の背後への注意を高めるほか、盗撮犯に対して犯行を思いとどまらせる効果が期待できるとしています。

同様の検証を行っている愛知県警や大阪府警の管内では、鏡を設置した後、被害報告がなくなったところもあるといいます。

今回の取り組みについて専門家は心理学や行動科学を活用していると分析します。

<静岡大学グローバル共創科学部 須藤智教授>
「鏡を設置することで少し後ろに意識が向く。後ろを見なきゃいけないという行動が促されて、どんな人がいるのかな、何が起こってるのかなと情報を取得しようとする」

県警では、2025年度いっぱい検証を続け、一定の効果が確認されれば設置場所を増やすということです。

<県警生活保安課 若林貴彦管理官>
「盗撮犯に犯行を諦めさせる人の目を考え対策した。これによってエスカレーターでの盗撮がなくなり利用者に安心して利用いただけるよう対策を進めていく」

卑劣な被害を一件でも減らしたい。警察は知恵を絞り続けています。

この鏡は、JR静岡駅周辺のエスカレーターのほかJR安倍川駅周辺のエスカレーターにも設置されました。そのすべてが過去に複数の盗撮被害が起きた場所だということです。

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