
沼津市の伊豆・三津シーパラダイスは、GW期間中の限定イベントとして駿河湾での釣り体験やトドとアザラシへの餌やり体験が人気を集めた。子どもと来場した伊豆の国市の会社員高橋啓太さん(34)は「クラゲの展示が新しくなっていてきれいだった」と喜ぶ一方、「仕事の都合で休みが取りにくく、駐車場代なども高くなっていると感じる」とこぼした。長野県から家族と日帰りで訪れた会社員小坂巧さん(36)も「物価は高いがせっかくの連休なので、あまり気にせずに楽しみたい」と笑った。
静岡市清水区の清水港周辺は、大型客船の寄港や初日を迎えたポップサーカス静岡公演などで混み合った。エスパルスドリームプラザを訪れていた同区の無職小川清子さん(75)は、知人が旅行を控えた状況を踏まえ、自身も「近場でゆっくりする」と語った。付近で遊覧船などを運航する富士山清水港クルーズの担当者は、利用状況を「普段の土日より若干多い程度」と話し、今後の人出に期待した。
浜松市中央区のはままつフラワーパークでは陽気に誘われ、家族連れやカップルが散策などを楽しんだ。訪日外国人客の来訪もあり、連休初日から駐車場は満車に近い状態。家族3人で訪れた同区の会社員佐藤慎一さん(37)は連休終盤に県外の実家へ車で帰省する予定で「ガソリン代が気になる」と漏らした。
■「自宅で過ごす」37・3%
JR東海静岡支社によると、東海道新幹線は26日午前、静岡駅発着「ひかり」の自由席乗車率が上りで最大130%、下りで最大140%になったが、交通機関の混雑は連休後半の3日がピークと予想され、県内の高速道路では特に長い渋滞は確認されなかった。
旅行大手JTBは、GWの国内旅行人数は昨年よりやや減少すると推計。担当者は「旅行費用を抑える工夫が見られ、行き先は近場と遠方に二極化している」と分析する。調査会社インテージによると、GWの予定は「自宅で過ごす」が最多の37・3%で昨年より3・2㌽上昇した。外食や買い物も軒並み減少するなど外出控えの様相は強まっていると指摘する。