ドローンで医薬品定期配送開始 川根本町と3社 災害時物資輸送や人手不足対応も視野 

関係者に見守られ発進するドローン=川根本町下長尾の旧中川根南部小 川根本町と民間企業3社は22日、町内の物流拠点から薬局までのドローンによる医薬品の定期配送を開始した。企業間の医薬品定期配送でのドローン利用は静岡県内初という。平時からの活用を通じて災害などで道路が遮断された際の物資輸送に備え、物流業界の人手不足への対応も視野に入れる。
 配送事業に参画するのは、同町と医薬品卸売業のアルフレッサ(東京都)、ドローン事業を手がけるエアロネクスト(同)とネクストデリバリー(山梨県小菅村)。ドローンによる配送区間は物流拠点の旧中川根南部小(下長尾)から「まつおか薬局」(徳山)までの約7・1キロ。週に一度、静岡市にあるアルフレッサの物流センターから医薬品を陸路で同小まで運搬後、ドローンに積み替えて大井川上空を中心とした経路で同薬局まで運ぶ。
 22日は担当者が企業や町関係者に配送の流れを説明。参加者が見守る中、医薬品を無事配送した。今後は徳山以北や島田市川根町を含む診療所や薬局10カ所以上の配送を検討している。同薬局の松岡政臣社長は「台風後などで医薬品が届かず困った経験がある。臨機応変な配送ができれば、山間地の住民はかなり安心して暮らせるはず」と期待した。
 今回の医薬品配送は、品質確保や確実な授受を定める国の医薬品ドローン配送に関するガイドラインにも対応した。町内では2024年7月から、操縦者の目視外へ飛ばせる飛行要件「レベル3・5」を適用したドローンと陸路を併用した商品配送サービスを展開している。

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