浜松市に日本初の“ドローン航路”開通「10年目までには1万キロメートルまで広げて」課題は街なかはどうする?

日本の物流の在り方が大きく変わるかもしれません。3月25日、浜松市内に空の道「ドローン航路」が全国に先駆け、開通しました。山間地での活用に期待が高まる一方、街なかでの普及には、まだ課題もあるようです。

25日、全国に先駆けて浜松市内に開通したのは、約180キロにおよぶ「ドローン航路」です。無人のドローンが行き来できる国が設定した空の道のことで、今回の試みは「デジタルライフライン全国総合整備計画」の一環です。

<経済産業省商務情報政策局情報経済課 守谷学課長>
「(計画の)10年目までには河川については、全国1万キロメートルまで広げていこうと」

ドライバー不足の解消や運送時間の削減が見込まれるほか、事前に航路を整えておくことでドローンを飛ばすまでに企業が行う手続きの手間やコストを省けるメリットがあります。

このドローン航路を活用して、浜松市内の物流業者が薬局の処方箋を山あいの患者が暮らす地域に届けることがすでに決まっています。

<浜松総局 野田栞里記者>
「今回、浜松市に開通した『ドローン航路』は、主に天竜川水系の上空にあたるということです」

航路の整備を担当した東京のシステム開発の会社は、いかに安全に飛べるのかが、ポイントだと話します。

<トラジェクトリー 小関賢次代表>
「浜松市や事業の関係者と航路の計画を立て、実際に見て回った。特に河川は送電線が渡っているので、それがどこにどの高さなのか、正確に調べる必要があった」

集めた情報をCGにまとめ、リスクが高いエリアを避けながら道を見つけ出します。

川の上であれば人はおらず安全かと思いきや…

<トラジェクトリー 新原桃子ゼネラルマネージャー>
「キャンプ場が近くに多くあって、川遊びをしている人がいた。冬場の下見では気が付かなかったけれど、夏に来たら川遊びしていた人がいて、そういう方を避けなければならないので、細かい調整をフライトテストで行った」

開通まで1年以上かけたという今回の航路。市街地でも開通できるよう研究が進んでいます。

<小関代表>
「線路の上空は絶対に人が立ち入らないので、ドローン航路としては使い勝手が良いのではないか。アクト(タワー)ビルは高いから、上は通れないので横に迂回させないといけない」

さらに、街なかならではの課題もあります。

<小関代表>
「ビルを建てる時のクレーンがあると、障害物になってしまう。工事の情報も常に最新のものを取り寄せて、ぶつからない迂回経路をつくることも含めて考えていかなければならない」

進むドローン活用に向けた環境づくり。新しい物流ネットワークの構築に向かって道は開けるでしょうか。

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