「死亡事故がなくなれば」本部長が発起人“ひまわりの種”に込めた交通安全への願い 静岡県警が「絆プロジェクト」始動

幼い子どもたちが巻き込まれる悲惨な交通死亡事故をなくそうと、静岡県警が新たなプロジェクトをスタートさせました。ひまわりの種を介した新たな取り組みに込められている思いを取材しました。

4月15日、静岡市の駿府城公園で園児が蒔いたのは、「ひまわりの種」。交通安全への願いが込められた希望の一粒です。

静岡県警が2025年度から本格的な取り組みをスタートさせたのが「ひまわりの絆プロジェクト」。このプロジェクトは、2011年に京都府内で当時4歳の男の子が交通事故で亡くなったのを契機に、男の子が生前、育てていたひまわりの種を全国各地で育て、命の大切さを学ぶものです。

なぜ、県警はこのプロジェクトを今年度から始めたのか。背景にあるのは、静岡県内の交通事故における深刻な状況です。

静岡県内の交通事故の発生件数は、ほぼ右肩下がりが続き、この10年間でほぼ半減しました。交通事故の死者数も減少する傾向でしたが、2024年は5年ぶりに増加に転じたのです。

3月、浜松市中央区で当時小学2年の女子児童が軽トラックにはねられ亡くなるなど、幼い命を奪われてしまう悲惨な交通事故は後を絶ちません。

静岡県警の津田隆好本部長は以前、京都府警に勤めていた際、「ひまわりの絆プロジェクト」を立ち上げたメンバーの1人。何とか事故を減らしたいと、静岡でもこの取り組みを進めようと提案しました。

<静岡県警津田隆好本部長>
「10年前はこんな死亡事故がなくなればいいと、特に子供の事故がなくなれば良いなと思い始めたが、今回のプロジェクトを通じて、交通安全の大切さを再認識して頂ければ」

4月から、静岡県内の10警察署でこの取り組みを始めていて、京都で始まった交通安全を願う種のリレーは着実に広まっています。静岡県警では夏にヒマワリを咲かせ、秋に種を収穫し、各所に配ってより多くの大輪の花を咲かせることで、交通安全への意識を高めていきたい考えです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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