「自分の髪の毛で人が救われるなら」ヘアドネーションに挑戦した少年が届けた思い 純粋な好奇心から始まった3年間=静岡

病気や事故などで頭髪を失った子どもに髪の毛を提供する「ヘアドネーション」。3年間髪を伸ばし続け、3日前に断髪した少年が届けたかった思いとは。

静岡市葵区に住む12歳の松下祐月さん。体を動かすことが大好きな「男の子」です。

<松下祐月さん>
Q.髪の毛長いけど、ダンスするときはどう?
「回る時が邪魔になる」
Q.回る時?
「回る時に、ペチンってなって(顔に当たって)邪魔」

髪の毛を伸ばし始めたのは約3年前。当時通っていた小児科の医師にヘアドネーションを紹介されたのがきっかけでした。

「ヘアドネーション」とは、病気や事故などで髪に困っている子どもたちに寄付された髪の毛で医療用のウィッグを作って無償で提供する取り組みです。

<松下さん>
「自分の髪の毛で1人の人が救われるって考えたら、自分も髪の毛伸ばしてるのも楽しいところがあったし、相手も助かるし」

<松下さん>
Q.きょうは何分くらいかかった?
「25分くらい」
Q.いつもこのくらいかかる?
「はい」

<松下さん>
「ヘアドネーション、かつらにするからその髪の毛がぐちゃぐちゃだったら使う人も嫌かなって」

いよいよ、3年以上伸ばした髪を切ります。自宅には、親戚や友達も駆け付けました。

<松下祐月さん>
Q.いよいよ切るけどいまの気持ちは?
「悲しい」

<美容師>
「ゴムをしたところよりも1、2センチ上を切ってもらいたいです」

最初にはさみを入れるのは祐月さんです。

<松下さん>
「3・2・1・0おー」「レッツゴー」

集まった人たちが、次々と髪を切ります。3年間見守ってきた幼馴染もハサミを入れました。

<松下さんの幼なじみ>
「あー、切っちゃったって感じ、ドキドキした」
Q.髪が短くなった祐月さん見てどう?
「おつかれさまって感じ」

このあと、1時間ほどかけて髪を整え…

「おー、すごい、かっこいい」

ウィッグひとつを作るには、約30人から50人分のヘアドネーションが必要とされています。腰まであった髪はさっぱり、3年間の挑戦が終わりました。

<松下さん>
「やっぱ嬉しい気持ちになってほしいな。その笑顔だったり元気になってほしいな」

純粋な好奇心から始めたヘアドネーションは、困っている子どもの笑顔につながるはずです。

<松下さん>
「かつらになるんだぞ、レッツゴー。ばいばい」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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