
天竜二俣駅構内の鉄道歴史館で寄贈式が執り行われ、鎌田さんに松井宜正社長から感謝状が贈られた。鎌田さんは2020年からの新型コロナ禍で自宅にとどまる時間が多くなる中、愛着がある鉄道駅舎のジオラマ製作を思い立った。実物を写真で撮影したり寸法を計測したりして、細かい木材や石こう粘土などを原料に横幅15センチ前後で駅舎を再現。待合室や看板、トイレなど細部までこだわり、1年半後の21年10月に完成させた。四つの箱に並べて沿線の施設や店舗で展示し、多くの人を楽しませた。
鎌田さんはその後も湖西市の新居関所や小松楼などの建造物、宿場町の再現に取り組むなど精力的に製作活動を続けている。天浜線のジオラマ製作は、展示する楽しみを知るきっかけになったとして「置いてもらえてありがたい。鉄道ファンや子どもたちに楽しんでもらえれば」と話す。