「過去最短」決戦 準備に影響 辞職前倒し表明から投開票まで46日【静岡県知事選】

 9日告示の静岡県知事選は、川勝平太知事が辞職の前倒しを表明してから46日目の26日に投開票を行い、県選管によると公選制になった1947年以来の21回で実質的に最短の選挙戦となる。衆院選でも解散前から兆しがある場合が多く、県選管担当者は「ここまで予期しない短期決戦は県政史上初ではないか。何とか準備を間に合わせたい」と話すが、複数の自治体で商業施設への期日前投票所の開設を断念するなどの影響が出ている。

現職知事の辞職で行われた過去の知事選
現職知事の辞職で行われた過去の知事選

 川勝知事は4月2日に前触れもなく辞職を表明し、当初は6月定例会初日(6月19日)に辞職する意向を示したため、投開票まで97日と想定されていた。一部会派からの要請を受け、辞職届提出を4月10日に前倒ししたため、投開票日が5月26日に決まった。4月2日の辞意表明から投開票日までの日数は54日。
 県選管によると、短期決戦の影響で、商業施設に期日前投票所開設を検討していた複数の自治体で調整が間に合わずに断念した。26日に藤枝市長選、市議補選の投開票も予定する藤枝市選管は投票用紙の混同を避けるため、急きょ用紙の色を替える作業が生じた。県選管は「大型連休を挟むため、立候補予定者の準備は実質的にさらに短い」と短期決戦の影響を話す。
 過去に任期満了ではなく現職の辞意表明で知事選に至ったケースは4回ある。これまで表明から投開票まで最も短かったのは1993年の第13回知事選の48日。体調不良で進退が取り沙汰されていた当時の斉藤滋与史知事が同年6月14日に任期1年を残して辞意表明した。8月1日投開票で自治省(現総務省)公務員部長だった石川嘉延前知事が共産党候補との一騎打ちを制した。
 次いで短かったのは1955年の第3回知事選の55日。当時1期目の斎藤寿夫知事が衆院解散総選挙との同日での知事改選を狙って、54年12月8日に辞意を表明。結果的に衆院選はなく、55年2月1日の投開票で斎藤氏が再選した。

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