23年の静岡県内有効求人1・23倍 人手不足もコスト高で慎重

 静岡労働局が30日発表した県内有効求人倍率の2023年平均は、前年に比べて0・05㌽下降の1・23倍だった。社会経済活動の正常化により幅広い業種で人手不足が深刻化した一方、原材料やエネルギー価格の高騰を受けて求人を控える動きが広がった。

静岡県内と全国の有効求人倍率の推移
静岡県内と全国の有効求人倍率の推移

 同日発表した23年12月の県内有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1・21倍で、全国値(1・27倍)を15カ月連続で下回った。新規求職者数は前年同月比5・1%増の7994人。物価高を受けて好待遇の仕事を求める転職活動や、年金だけでは生活費が不足する高齢者の求職活動も盛んになっている。
 業種別の新規求人数は、建設業が16・5%増の2427人。公共工事の増加に加えてリフォームの受注が伸び、2カ月連続で増加した。運輸・郵便業は14・9%増の1461人で、人手不足による事業縮小や需要の取りこぼしも起きているという。4月から始まる運転手の残業規制で輸送能力の低下が懸念される2024年問題が間近に迫り、求人意欲が高まっているとみられる。
 製造業は10・4%減の3274人。原材料、エネルギーの価格高騰が収益を圧迫し、人手不足でも採用に消極的な企業が目立つ。宿泊業は前年の全国旅行支援の反動で28・3%減の640人、卸売・小売業も35・2%減の2240人だった。
 地域別の有効求人倍率は県東部が0・14㌽下降の1・25倍、中部が0・25㌽下降の1・35倍、西部が0・02㌽上昇の1・26倍。

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