静鉄ストア、物流拠点藤枝に集約 24年問題に対応

 静鉄ストア(静岡市葵区)は、同区と焼津市に分散する物流拠点を集約した「藤枝統合センター」を藤枝市水上に立ち上げ、10月から稼働する。1日当たりトラック約15台分の配送効率化を見込み、運転手不足が懸念される「2024年問題」に対応する。来年10月には精肉加工を一括して担うプロセスセンターを同市内で稼働する予定で、原材料・エネルギー高が続く中、コスト低減による収益力強化を図る。

 新拠点は国道1号谷稲葉インターチェンジから約2キロ南に位置し、施設の建設を山岸運送(島田市)、運営をストーク(焼津市)が担う。建物は鉄骨造り2階建て、延べ床面積約8800平方メートルと、現状の2倍強の空間を確保し、1階に冷蔵品と常温品、2階に常温品を保管する。将来的には冷凍品のスペースも整え、大量の商品を割安に仕入れて小売価格の抑制につなげる。
 精肉加工のセンターは、藤枝市善左衛門で別の事業所が所有する敷地を借り、総工費9億円を投じて新設する。新物流拠点から約5キロと比較的近い場所に、店舗ごとで実施している肉の加工やパック詰め、価格ラベルの貼り付けといった作業を集約する。
 機械化を進めて厚さや分量の均等化を図るほか、加工能力を2倍に引き上げ、開店までに全商品を各店の陳列ケースに並べられるようにする。ただ一部大型店舗は店内加工を続け、顧客の個別注文に応じる。
 担当者は「事業効率化を通じ、人材不足に起因する労働環境悪化と採用難という負のサイクルを断つ。消費者にはこれまで以上に管理の行き届いた良質な商品を届けたい」と話す。
 (経済部・駒木千尋)

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