川勝知事 不出馬表明の田辺氏を酷評 進退局面でも「溝」変わらず

 静岡市の田辺信宏市長が次期市長選への不出馬を表明した2日、幾度となく対立が取り沙汰されてきた川勝平太知事が静岡県庁で報道陣の取材に応じた。田辺氏の3期12年の市政運営に対しねぎらいの言葉はなく、「高い評価をするのは難しい」と述べた。田辺氏も同日の市議会11月定例会代表質問の答弁で「知事と適切な関係を築くことができなかったことは残念」と振り返り、進退表明の局面でも変わらぬ両氏の溝の深さを印象づけた。
 川勝知事は田辺市政について「連携がうまくいかなかったこともあり、政策に関して極めて厳しい意見を持ち続けてきた」と話し、「政令市のうち最下位にまで落ちた12年間だった」と酷評した。
 田辺氏の不出馬の決断には「何かすっきりしないというのが率直な感想」と述べ、「胸の内にあるのとは逆の発表をせざるを得なくなった。こういう形で退いていいのか」と再考を求めた。
 一方の田辺氏は市議会の答弁で「市が基礎自治体として主体的にまちづくりを進める中、その方針を尊重しサポートするのが市と県のあるべき姿」と知事をけん制。策定中の第4次市総合計画(2023~30年度)を挙げて「市が進めるまちづくりへのサポートを知事に求めていきたい」と淡々と述べた。

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